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もう少し冷静にラストを分析『本好きの下克上』

 木曜は、私のライトノベル愛語りです。今回も、このところ続いている『本好きの下克上』について書きます。
 前回は読了直後だったため、やや(かなり?)冷静さを失ったブログになってしまいました。今回は、もう少し冷静に分析して書きたいと思います。どうしても内容に触れる必要があるため、ネタバレになる事を御了承ください(ネタバレ禁止の方は、この先を読まないで!)。


 と言いつつ、実は今も冷静とは言い切れません。この記事を書いている令和6年1月12日現在、『本好きの下克上』第33巻の「エピローグ」だけ、もう7回か8回は読み直しています。第32巻の書き下ろし短編「新しいアウブのすげぇ魔術」も読み直してますが、こちらは2回か3回ですから、どんだけ「エピローグ」が好きなんじゃ…って感じです。
 この「エピローグ」、ファンタジー小説の王道って感じの展開です。
 「エピローグ」は主人公ローゼマインが、家族や親しい人たちが成人式を祝う平民街の家に、「ただいま、皆! マインだよ!」と言って帰ってくる場面から始まります。そこからのドタバタ展開は、第1~3巻の彼女が平民だった時代に展開されていた、大変だったけど、温かい家庭の雰囲気で進んでいきます。そして最後は、この雰囲気が今後も続く事を予感させつつ終わります。
 J.R.R.トルーキンの『指輪物語』の後書きだか書評だかで、「ファンタジー小説は、我が家から始まって、我が家で終わる」と、書いてあったと記憶しています。実際『指輪物語』も、我が家から始まり我が家で終わります。
 この「エピローグ」を読んで、その事を私は思い出しました。
 また「エピローグ」の中では、今後もお忍びでローゼマインが平民街を訪れそうだ…と書かれています。先に書いた第32巻の「新しいアウブのすげぇ魔術」を読むと、平民たちからの彼女の人気は凄いものがあると分かります。この話を「エピローグ」と合わせると、もしかすると今後、平民街で楽しい出逢いなどがあるかもしれない…と予感させます。
 未来への希望に満ちたラスト…実に、実に素晴らしいです。これぞライトノベル! 頑張って『本好きの下克上』を読了して、本当に良かった!!

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