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アーノルド・ローベル『ふたりはいつも おちば』
アーノルド・ローベル作 『ふたりはいつも』
の中に収められている「おちば」というお話が、天才的に素晴らしい。
おちばが庭に積もった10月、かえるくんは別の場所に住む友達のがまくんの家に行っておちばかきをしてあげようと思い立ち、くまでを持ってがまくんの家に向かいます。
同じ頃、がまくんも同じことを考えていて、くまでを持って、かえるくんの家に向かいます。
しかし、ふたりは別の道を通って家に向かったので、会いませんでした。
ふたりは、お互いに留守の家の庭のおちばをかきあつめ、きれいにすると、それぞれ家に帰りましたが、帰り道も会うことはありませんでした。
ところがその後、風が吹き上げ、せっかくかきあつめたおちばの山が、すべて元通りに庭に散らばってしまいました。
そんなこととは知らず、お互いが家に来たことも知らないまま、その晩ふたりは、満足した気持ちでしあわせそうに眠るのでした。
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せっかくしたことが振り出しに戻ってしまうというタイプのお話なのに、悲しくない、むしろクスッと笑えてしまう、おだやかな雰囲気で締めることができているのは、ふたりが誰かに嫌々させられたことではなく、自分でやろうと決めてしたことだからだろう。
あつめたおちばが風に散らばってしまったことをふたりが知ったらがっかりしてしまうだろうが、読者としては、そういうこともあるさ、とこの結末にどこか納得することができる。
他人に自分をおしつけずに生きることの美しさが、この作品に表現されているように思う。
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