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福田恆存を勝手に体系化する

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不世出の批評家、福田恆存の思想を読みなおし、系統的に再構成する試み。それは狭義の哲学や形而上学にとどまらず、まさしく文学的な新たな体系化として開示される。
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#福田恒存

福田恆存を勝手に体系化する。17   自由・その歴史性   

 自由とは何か――個人がやりたいことをやりたいようにやることと、端的にいえるだろう。それ…

神原 伊津夫
1か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。12   いよいよ思索の頂点へ     

  根本的現実とは何か  さてここで、これまでの「体系化」をいったん手みぢかに整理してお…

神原 伊津夫
3か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。10   集団的自我の歴史性 

 私は、私にあたえられた世界の中心にいる。むろん、あなたもあなたにあたえられた世界の中心…

神原 伊津夫
4か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。9

福田恆存とD・H・ロレンス ロレンスとの関係性は、いろんな人が書いているし、ここまで書い…

神原 伊津夫
4か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。8  二葉亭四迷 芸術と実行

私小説的現実について 「内発的自己」と「外発的自己」にはとほうもない落差が存在することが…

神原 伊津夫
4か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。7  日本的なるもの

 前節では、福田恆存における「外発的自己」について検討した。  それならば「内発的自己」…

神原 伊津夫
4か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。5 戦後の時代 観念論の克服と自我の確立 「私の保守主義観」 キリスト教 

福田恆存が生きた時代の歴史的理念の素描  生きるとは、徹底的に私の内部の出来事である。だとすれば、私は福田恆存を体系化するとはいったが、その体系は福田恆存の生きた状況と抜きさしならぬものであり、それだけ単体でとりだしてみたところで、それは肉を欠いた骨と皮にすぎない。それゆえ、かれの思考の体系を知るということは、とりもなおさず、かれの生活とその時代をも知ることである。 「社会」は歴史的存在者である。  それは一定の世代に作用を及ぼす理念の体系をもっている。空間的な広がりをも

福田恆存を勝手に体系化する。4  ルネッサンス 歴史の素描

歴史との最初の小競り合い  歴史とは、過去に起こったこと、過ぎ去った出来事、かつてそのよ…

神原 伊津夫
5か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。2-1   

絶望の現象学フッサールとの対決  フッサールに『デカルト的省察』という著書がある。これは…

神原 伊津夫
5か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。1 オルテガのパースペクティヴィズムとの関係

   孤独の遠近法  さて、どうして人間は孤独なのか――  結論を先にいえば、福田恆存に…

神原 伊津夫
5か月前
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