【散文】二人の距離は2時間分
『おはよ』
それだけのメッセージの通知音で起きた私は、同じボリュームでかつ全く同じにならないように返信する。
『おはぁ~』
内容のないやり取りにも慣れてしまって、いまは続けなければという義務感のみで続いている。
朝ごはんは、今日の自分を鼓舞するために外で食べようか。
コーヒーとパン。シンプルがいいのだ。
電車はなんだか面倒で使いたくないから、通勤はロードバイクで30分。
いつもより1時間早く家を出て、途中のカフェに立ち寄る。
入口の扉に設置された鈴が、カランカランと鳴り、店