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債券業務

本日は、債券売買手法から解説していきます。

債券売買手法


債券の売買の基本の手法は、売切り買切りです。
金融機関などの法人投資家は数銘柄を組み合わせて
売買することが多いです。

入替売買

保有銘柄を売却して、別の銘柄を購入するなど、
同時に売り買いをすること。
一般的に短期債よりも長期債のほうが、
金利の変化に対する価格変動性は大きくなる。

市況観に基づく入替では、
将来、金利低下を予測した場合
短中期債から価格変動性の大きい中長期債へと
長期化の入替えが有利。
金利上昇が予測される場合は、短期債に入れ替えると
価格変動リスクが小さくなります。

最終利回りアップを目的にした入替では、
長期金利が短期金利より高い状態である限り、
できるだけ利回りの高い長期債に入れ替える。

固定的ポートフォリオ運用を目的にした入替では、
入替売買を機械的に行い、ポートフォリオの償還期限バランスを
常に一定に保つ運用手法。
ラダー型ダンベル型がある。

現先取引

「債券等の条件付売買取引」ともいう。

売買に際して同種、同量の債券等を、
所定期日に所定の価格で反対売買することを
あらかじめ取り決めて行う債券等の売買。

現先取引には、委託現先自己現先がある。

着地取引

債券の着地取引は、将来の一定の時期に一定の条件
債券を受け渡すことをあらかじめ取り決めて
行う売買取引をいいます。

約定日から受渡日までの期間を
1か月以上6か月を
超えない
ものとされています。

着地取引の売買対象顧客
上場会社またはこれに準ずる法人であり、
経済的社会的に信用のあるものに限られています。
個人は取引できません。

債券貸借取引

参加者に規制はないが、金融機関同士の取引が中心です。
取引を行う場合は、あらかじめ取引相手と
債券貸借取引に関する基本契約書を取り交わす必要がある。
担保の有無により無担保債券貸借取引
代用有価証券担保付債券貸借取引
現金担保付債券貸借取引の3種類
現在は、現金担保付債券貸借取引(通称、貸借レポ取引)が中心です。

以上が債券の売買手法でした。

次に転換社債型新株予約権付社債(転換社債)に
ついて見ていきます。

転換社債型新株予約権付社債(転換社債)

新株予約権

新株予約権とは、
その所有者が一定期間内に請求を行えば、
発行会社の株式をあらかじめ定められた価格で、
一定数量買い付けることができる権利をいいます。

発行会社は、その権利を行使されたときは、
行使者に新株を発行して渡すか
発行会社が保有する自己株式を渡すことになります。

転換社債型新株予約権付社債(転換社債)
それぞれ発行された新株予約権と
社債を組み合わせた社債をいいます。
新株予約権と社債を分離して譲渡することは
できません。

一定期間に新株予約権行使を行えば、
あらかじめ定められた条件で、
その発行会社の株式に転換することができ、
株価の上昇による利益を受けることができます。

一方、新株予約権を行使しないで、
転換社債型新株予約権付社債を
そのまま社債として保有していれば、
確定利付証券として利子を受けることになり
償還期限には額面で払い戻されます。

よって、株式の有利性債券の確実性
兼ね備えた金融商品ということになります。

転換社債の発行価額
最近では額面単価より高く設定されるように
なっています。

利率
株式に転換できるメリットがあるため、
利率は普通社債より低く設定されます。
最近は、利率がゼロのものが主流となっています。

償還
転換社債のほとんどは満期一括償還制をとっているが
発行会社が、自社の転換社債から買入消却する場合もあります。

株式への転換条件
転換する場合の1株当たりの発行価格のことを転換価額という。

取得株数
転換社債を株式に転換した場合に取得する株数は次の式によって
求められます。

取得株数=額面金額転換価額
端数は切り捨てられる場合や現金で支払われる
場合がある。

例題
転換価額300円、額面100万円の転換社債を
転換した場合の取得株数は?

答え
取得株数=100万円➗300円
    =3,333.333株
株式は3,333株 端数は切り捨てられる場合や
現金で払われる場合もあります。
端数は、0.333株
100万円-(300円✖️3,333株)=100円
よって100円が現金で払われます。

次に転換社債の流通市場についてです。

転換社債の流通市場

上場された転換社債は、取引所取引や取引所外取引に
よって流通される。

パリティ価格
転換社債の株式価値を表す理論価格。
転換社債を株式に転換した場合、
その株式の価値が転換社債の価値にしたらいくらに
なるかを表しています。

パリティ価格=(株価➗転換価額)✖️100円

乖離率
転換社債の時価とパリティ価格との差のことを
乖離といいます(乖離率)

乖離率=((転換社債の時価-パリティ価格)➗パリティ価格)✖️100

例題
転換価額990円、転換社債の時価100円、株式の時価980円
の場合の利付転換社債について、パリティ価格、乖離率は
いくらになるか。

答え
パリティ価格=(株価980円➗転換価額990円)✖️100
=98.9円(98円)

乖離率= (転換社債の時価100円-パリティ価格98円)➗パリティ価格98円
   =0.0204✖️100=2.04%

転換社債を社債のまま売却するか
株式の転換してから売却するか
どちらがよいか この乖離率で判断します。
プラス乖離の場合は転換社債のまま売却したほうが良い。
マイナス乖離の場合は株式に転換して売却したほうが良いと
言われています。

以上が債券売買手法から転換社債までの解説でした。

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