我々はどんな国で生きているのか

 既に大都市でのクラスター対策は破綻しています。これまでPCR検査数を抑制し、クラスター対策のみを続けていましたので、市中感染を見逃してしまい、院内感染につながってしまっています。今まさに院内感染から医療崩壊が起き始めています。
 国は検査数を増やせば感染者が外来に殺到して医療崩壊が起こると言っていました。しかし、ここまでの流れは全くの逆です。検査をしなかったから、市中感染を見逃して、院内感染を招いているのです。

『「東京は手遅れに近い、検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘』(ダイヤモンドオンライン2020/04/09 https://diamond.jp/articles/-/234205

 「運命の日」-福島第1原発から漏れた放射性物質が風雨によって運ばれ、福島県の広い範囲が汚染されたとされる3月15日はそう呼ばれる。SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の予測は15日時点で、原発から北西部の方向に放射性物質が飛散する可能性を示していた。その事実も官邸中枢には伝わらなかった。
(中略)
 「(SPEEDIの予測で)少なくとも北西部の方向に流れそうだということは分かるわけです」。茅野(政道~原子力研究開発機構の副部門長(当時))は悔しがる。
 茅野が持ち込んだ逆推定の予測図を政府は23日夜、公表した。後に全村避難する飯舘村など原発から北西方向の地域では、避難してきた人々のために炊き出しが行われ、子どもたちは外で駆け回っていた。

『【フクシマの教訓】(2)の1 SPEEDI中枢に届かず 拡散地域への避難生む』(西日本新聞連載2012/07/04 https://www.nishinippon.co.jp/item/o/16388/

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 自らの依って立つ概念についての自覚が希薄だからこそ、いま行っていることが何なのかということの意味がわからないままに、パターン化された「模範解答」の繰り返しに終始する。それゆえ、戦略策定を誤った場合でもその誤りを的確に認識できず、責任の所在が不明なままに、フィードバックと反省による知の積み上げができないのである。
(『失敗の本質~日本軍の組織論的研究』 (戸部良一/寺本義也/鎌田伸一/杉之尾孝生/村井友秀/野中郁次郎) 中公文庫1991「文庫版あとがき」より

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