安倍政権が潰れても、令和日本型全体主義がすぐそばに近づいているのかもしれない。

驚いた。

ドナルド・トランプがWHOへの資金拠出を停止したというYahoo!ニュースの記事に対して、トランプを支持し、さらには日本も追随すべきだというコメントがかなりの「いいね」を集めているのである。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6357240

もちろん、WHOまたテドロス事務局長は多いに問題ありだろう。
つまりそれは彼らが、すべての人間の基本的人権である健康の達成、というWHO本来の目的を逸脱して「政治的に」動いている(少なくともそのように見える)からである。そのせいでCOVID-19の全世界的な蔓延を招いてしまったという論は、(慎重に検討されねばならないけれど)否定することはできまい。

だがしかし、自己の再選のためひたすら政治的に立ち回っているのはトランプも同じだ。トランプはWHOを「中国寄り」だと非難し、となると黙っちゃいられない中国は「WHOは高く賞賛されている」と反論。

なんだよこれ。
要するにトランプも習近平もテドロスも、ひたすら政治的なだけなんじゃないか?
大事なのはそこか?

トランプがWHOの悪口を言うのは勝手だが、拠出金を出さないというのは「恫喝」である。
「カネがほしいなら言うことを聞け」と言っている。
もっとはっきり言えば言えば「WHOは中国寄りではなく俺様(トランプ)寄りになれ」と脅している。つまりトランプのやっていることは習近平のやってることと同じだなのだ。単なる薄汚い政治的行動。

そもそもWHOは権力機関ではない。

権力に対する批判は、あらゆる場合において全面的に認められる。それが民主主義と言うことだ。
だが、WHOに権力はない(それを利用しようとする国々の権力はあるが)。
恫喝や懐柔はしてはいけない約束なのである。

トランプも習近平もテドロスも、そんな約束を反故にすれば当然責められるべきであるが、それを政争の具にしてはならない。

それなのに、ああそれなのに、なぜ多くの日本国民がトランプの肩を持つのだろう? 「いいね」するのだろう?

昨日だったっけ、大顰蹙を買った安倍晋三君の自宅くつろぎ姿(星野源さんコラボ?動画)について、管義偉君は幾分疲れ気味に「35万の『いいね』があった」と弁解した。
まああの数字は、J-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)などのネトウヨ応援団か代理店の下支えだろうと考えれば納得いくけれど、WHOに対する「トランプ応援」はそうでもあるまい。

これは怖いぞ。
この先安倍政権が潰れても、令和日本型全体主義がすぐそばに近づいているのかもしれない。

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