【withE通信:台風とハリケーンとサイクロン】
いよいよ9月になり、天気や気温も秋らしく過ごしやすい毎日になってきましたね!
この時期に心配になるのが「台風」。先日も台風11号の影響により、沖縄県や九州に甚大な被害が出ました。
そんな台風ですが、台風による被害を受けているのは日本や韓国、中国、フィリピンなどアジアの国だけだと思いませんか?アメリカなどで台風が発生することはないのでしょうか…?
〈台風の定義〉
そもそも「東経100度から180度までの北半球に中心があるもの」かつ「中心付近の最大風速が17.2m/s以上」の低気圧が台風と呼ばれます。そのため、これ以外の場所に中心があったり最大風速が違ったりすると、台風とは呼べないのです。ちなみに台風は英語で「typhoon」ですが、これは中国や台湾で激しい風のことを「大風(タイフーン)」と言われており、それがヨーロッパ諸国に音写され、再び中国や台湾で「颱風」という字があてられたことに由来しているそうです。
〈サイクロン・ハリケーン〉
さて、冒頭のアメリカなどでは台風は発生したいのかという問いですが、上記のことから「台風」は発生しません。ただ、台風と似た現象は起こっています。それが、「サイクロン」と「ハリケーン」です。
サイクロンは「東経100度以西のインド洋または南半球の太平洋に中心があるもの」かつ「中心付近の最大風速が17.2m/s以上」のものを指します。また、ハリケーンは「西経180度(=東経180度)から大西洋までの北半球に中心があるもの」かつ「中心付近の最大風速が32.7m/s以上」のものを指します。つまり、中心のある場所や最大風速によって呼び名が変わっているということですね!
〈発展:コリオリの力〉
ここまで「台風」「サイクロン」「ハリケーン」についてお話してきましたが、実はこれらは赤道上では発生しません。熱帯地域は一番に影響を受けていそうなのに不思議ですよね?これには地球の自転が大きく関わっています。
「台風」「サイクロン」「ハリケーン」はいずれも渦を巻いていますよね。この渦を巻くためには「コリオリの力」というものが必要になります。「コリオリの力」とは、地球の自転によって発生するものです。赤道上ではこの「コリオリの力」が0になってしまいます。そのため渦を巻くことができず、「台風」「サイクロン」「ハリケーン」が発生できないのです。
この「コリオリの力」は高校の地学などで習います。興味がある方は調べてみると面白いですよ!
作:わさび(国語・英語担当)
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