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ぼくが自己PRが苦手であることと、それをどうやってしのいでいるかについて〜コトバ化の鉄人

これは、鉄人コーチ集団 「Withコーチ」 の "コトバ化の鉄人"こと、星野良太が、「自己PRが苦手であることと、それをどうやってしのいでいるか」について明かしたものである。鉄人コーチとは困難な現実・テーマに、タフに楽しく気迫を持ってwith(伴走)する。強さとしなやかさと愛に溢れるコーチのことを呼ぶ。

こんにちは、withコーチの星野です。ぼくは自己PRが苦手です。前回noteでも書きました。


自分以外の人のことを伝えるのは好きなんです。それに、自分は自分のことを結構好きですし、いいところを意外と持っているとも思っています。そこを求めてくれる人が意外といることも実感しています。

でも、自己PRは苦手。あとで詳しく説明しますが「少し複雑な苦手」です。この辺りに面白そうな何かがありそうなので、少し書いてみようと思います。


なぜぼくが自己PRが苦手なのか

まずは、どんな具合に自己PRが苦手なのかを書いてみます。

顕著だったのは就職活動です。これも以前のnoteに書きましたが、面接などで自己PRをしなければいけない場面では、こんな発言をしていました。

「友人のことはPRできますが、自分のいいところは自分で言うもんじゃないと思います」

はたから見ると、斜に構えた姿勢ですね。我ながら少しむかつくやつです。
面接に来ておいてこんなことをいう奴なんて、と思いますが、本当にこんなことを言ってしまっていました。

その当時の気持ちをできるだけ振り返ってみると、こんなことを感じていたんではないか。

「月並みな表現をして、その他大勢の就活生と同じ土俵に立ちたくない」
「自分が好きな自分のエッセンスを、安易な言葉にして汚したくない」
「機能としての自分ではなく、全てを含んだ人間としての自分を見てほしい」

こんなところでしょうか。世間をまだ信じられずにいたんだと思いますし、自信もなかったんだと思います。特に、3つ目の「人間としての自分を見てほしい」という気持ちはつよかった気がします。

今でも、この気持ちはあります。自分を構成している要素はいくつもある。でも、その中の一つだけを切り取って相手に見せる行為への抵抗。それが自己PRに対しての苦手意識をつくっているのかもしれません。


広告の考え方で知った、関係の深め方

初めて出会う人にも全部の自分を知ってほしいという、ワガママで欲張りなエゴ。みんな持っている気持ちだとは思うのですが、その気持ちとのお付き合いが下手だったんだと思います。

そんなぼくも、少し自己PRへの考え方を変えられるタイミングがありました。コピーライターとして転職したときのことです。研修で、こんなことを習いました。

「前提として、広告は見られないもの。なので、相手に一目で興味を持ってもらわないといけない。だから、相手のことを徹底的に考えて、何を伝えるかを絞ることが大切」

主語を広告ではなく自分に置き換えると、わかりやすいです。

「前提として、自分は見られないもの。なので、相手に一目で興味を持ってもらわないといけない。だから、相手のことを徹底的に考えて、何を伝えるかを絞ることが大切」

最初から自分全部を知ってもらいたいのはヤマヤマですが、そこに至るための段階があるのだよ、と改めて教えてもらったのです。まずは興味を持ってもらいなさい、と。その後つづく関係の中で、知ってほしい自分を知ってもらえる様になりますよ、と。


妻がハマってしまったYouTuber

余談ですが、妻があるYouTuberにハマっています。育児に関しての情報を伝えてくれる方なのですが、毎日YouTube動画を配信していて、妻は欠かさずそれを見ています。

出会いのきっかけは、息子が寝付かないことに悩んでいる時期のこと。何冊も本を読み、ネットをあさり、Youtubeにたどり着き、それでも納得のいく答えに出会えなかったときに、その方の動画に出会いました。

寝つきが悪くて普通、という趣旨の動画を見た後、夫婦ともに一気に肩の荷が下りて楽になったのを覚えています。それ以降、妻は毎日欠かさず動画を視聴し、その方のこれまでの人生も知り、その方が開発した乳児向け保湿剤も通販で購入するほどファンになっています。

息子が寝付かないというひとつのきっかけから、全体としての理解まで段階が進んだ例だな、と思っています。

こうした流れを意図的につくるのが、仕事としてのPRでしょうね。広告はその初期接点に機能を注力している感じです。

こう理解をすると、初期接点づくり、と割り切って自己PRをとらえられる様になりました。その場合、相手によって自分の伝え方が変わってきます。何を伝えるのが相手と今一番関係をつくれそうか、そこを考えて伝える内容を選ぶ。こんなやり方で自己PR苦手意識を、一時期克服できた様な気がします。


ぼくの初期接点のつくり方

その後は、相手の興味を先に把握して、その後どの自分を伝えるかを変える。そんな初期接点のつくり方を続けてきました。

元来やりたがりで器用貧乏な気質と、自分の経験業務範囲が広がってきたのもあり、初期接点はだいぶ広い対象と合わせることができる様になっていました。

たとえば、

・住んだことのある場所→東京、埼玉、千葉、神奈川、北海道、岐阜、大阪、兵庫、鹿児島、シンガポール

・職種経験→ホール、コールセンター、カメラマン、営業、企業の宣伝部、コピーライター、ウェブディレクター、キャリアカウンセラー、学習塾経営、日本語学校経営、海外人材開拓、地域活性、セミナー企画・運営、研修講師、新規事業企画、人事経理総務労務含めた本部機能、経営、おせっかい相談おじさん

・企業経験→教育系事業会社(倒産)、大手情報会社、中小人材会社(倒産)、ベンチャー人材会社(設立時)、フリーランス、自社起業

これだけ広いので、いわゆる最初の共通点探しは早いのです。合わせられちゃう。ビジネスでも、相手が求めている機能に合わせることもある程度可能でした。その後、関係性ができた上で徐々に、最初に見せた面以外の自分を知っていってもらうことも一部出来てきました。

しかし、とはいえ。
相手に合わせた入り口でつながった場合、その後の関係性が深くなりにくいこともある様に思います。特に機能特化型の関係でつながってしまうと、最初にこちらが作った関係性の枠組みから抜け出せなくなる場合がある。これは、自分にとって望ましい姿ではありませんでした。


マーケットイン型とプロダクトアウト型

ビジネスでは、マーケットインとプロダクトアウトという考え方がある様です。
・市場のニーズを探って、そこに沿うサービスを展開するマーケットイン。
・自分たちが考えるいいサービスをつくり、市場をつくっていくプロダクトアウト。

自己PRに置き換えると、こんな感じでしょうか。
・マーケットイン:相手の顕在化しているニーズに合わせて自分を伝える自己PR(内容可変)
・プロダクトアウト:自分が進みたい道、あり方で自分を伝える自己PR(内容不変)

自分はこの時期、伝える自分をマーケットインで変えながら自己PRをしていた、初期接点をつくっていた、という訳ですね。相手のニーズによって、見せる自分の要素を変えていく、ということです。ですが、そのやり方に少し引け目を感じたりもしていたんです。


苦手意識は抱えながら、理解できたこと

就活時期と比べると、今はさすがに自己PRへの苦手意識は薄れてきています。生きていく中で、ぼくは自分の中にいろんな側面をつくってきました
そして会う人によって、伝える自分の面を変えることで、ある程度の方々に受け入れられることが分かったからです。

とはいえ、このやり方には課題があります。いわゆる「自分は何者なのか」問題への対応が難しくなっていくのです。(みんな抱えているのかな、この問題…)ちなみに、ぼくのこれまでのやり方では、他者との関係性の中で数多の自分が生まれていきます

ただ、そうではない方にも出会うことがあります。明確に自分の在り方を定めていて、そこにブレがない方。「自分は何者なのか問題」に、明確に答えられる方。

そういう方に出会う度に、つよいなぁ、と思います。うらやましい。たとえば、「日本の少子化問題をこの手法で解決したい。自分の人生はそこに賭けている」というメッセージを発信し続けている方のもとには、協力者が次々と現れます。

そこと比較すると、相手に合わせて出す自分を変えるぼくの方法は、継続的につよく一貫したメッセージは発することができません。時代や環境、関係性に合わせて、メッセージも変化させてしまう可能性もあります。

その辺りを、「プランドハプンスタンス」という考え方によくなぞらえて考えています。それは、キャリアは偶然の出来事、予期せぬ出来事に対し、最善を尽くし対応することを積み重ねることで形成されるというものというものです。

ここ10年くらいはずっと、この考え方がぼくの拠り所です。好奇心、リスクテイキング、継続、柔軟さ、ポジティブ、辺りが意識するべき姿勢だったかと思います。

この考え方はぼくの様にマーケットイン型PR人間には、受け入れやすい反面、自らつよく発信するメッセージには欠ける部分があり、波及する効果、という点では弱点があります。


マーケットイン型の自己PRをお手伝い

…さてさて。
いつものごとく、あれもこれもと書くうちに、趣旨から外れてきました。反省。ざっとまとめます。

自己PRは今も苦手です。どしんとした不変の自分を伝えることができずにいるからです。その代わり、相手や環境に合わせた自分を伝えることはできるようになりました。(多分、溢れるエゴが滲みだしているとは思いますが…)

その中から、ある程度全体としての自分で継続的にお付き合いできる方々も増えてきました。毎回変化する相手との初期接点づくりの中で、何となく共通した自分像も見え隠れし始めています。機能や役割の中でも、自分らしさの様なものを出せているのかもしれません。依然として、「自分は何者か」問題にはすっぱりと答えられてはいませんが、就活時代と比べれば、So far, so goodです。

自己PRに関して、お伝えできることがあるとすると…ここまで、自分のことばかり書いてきました。その中から、何かしらこれを読む方にお伝えできることを考えてみると、こんなことでしょうか。

素の自分を、プロダクトアウト型自己PRが常時できれば理想ですが、全員がいつもそれができる訳ではない。マーケットイン型自己PRを続けていても、素の自分は消えない。初期接点をたくさんつくれれば、その中から継続できる関係性は残るはず。

ぼく以外の皆さんに向けてお伝えするとこんなことです。意外と、マーケットイン型の自己PRの内容は自分自身では気づきにくかったりもします。自分が定める自分ではない自分を伝えることに、心理的な抵抗もあるかもしれません。ですが、様々な人との関係性の数だけ、未知の自分に出会うこともできます。

ある程度、いろんな環境、場所で様々な立ち位置で人に会ってみたらいいと思います。どんな人とどう出会えて、どうつながれると自分にとって自然なのか、ある程度場数があると自分なりの正解も見えてくるかもしれません。

その上で、自分と社会との接点づくりに悩んだら。その時は多様な人生経験を誇るWithコーチのみんながご相談にのります。

コトバ化の鉄人が気になる方は、こちらのプロフィールをご覧ください。♯コトバ化の鉄人 でも検索できます。

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