「◯◯に気を付けて進む」

・問1
あなたは片側1車線の真っ直ぐな道路を車で走っています(中央線は黄色1本)
前方左側にあるコンビニエンスストアの駐車場から車が道路に出て来ようとしています。
あなたはどうしますか。

こんな感じの問題が自動車学校の学科試験の問題でありましたよね?
この場合はこちら側が優先ですので「駐車場から出て来る車に注意して進む」が正解になるのですが、こういう答えを聞く度にこう思うのです。

「具体的にどう注意したらいいんですかね?」

これが私の周囲の車の動きを予測する様になったキッカケでもあり、この「運転術」の根幹のひとつでもあります。

ちなみに今の私はこう答えます。

まず、ドライバーを見る

駐車場や路地から出て来る車や交差点で対向車線から右折しようとしてる車の様に、自分の車と進路が交錯しそうな車がいる場合には私はまず相手ドライバーの顔を見ます。
そしてそのドライバーがどちらを見ているか、私の車を見て認識しているのかを確認します。

・こちらを見ていない場合
ごくたまにいるのですけど、自分が進む方向だけ見て道路に出て来るドライバーがいます。
そんなのに限って一時停止もしません。
この問題だと左折するドライバーが自分の進む方向(こちらと反対方向)だけ見ていて躊躇なく道路に出て来る可能性が高いです。
クラクションを鳴らす、という手もありますが、無視されて突っ込まれたら目も当てられません。
出て来るものだ、と思ってブレーキに足をかけておいて、対向車がいなければ反対車線に逃げる用意をしておきます。

・こちらを見ている場合
駐車場から道路に出て来る場合、一時停止して左右確認が本来のルールで、歩道があるのなら歩道の手前でもさらに一回やるのが道交法上のお約束です。
なので見てなきゃおかしいのですが、何事もままならないのが世の常です。
で、こちらを確認してくれてるドライバーの場合、さらにその目線を確認します。

◯運転者を見て来る
この場合はこちらと同じ事をしているドライバーです。
スポーツでいうところの「アイコンタクト」が出来る人で、簡単な意思疎通ならアイコンタクト+αで迅速に取れます。
例えばこの問題では走ってる道路の混雑具合を書いていませんが、渋滞して先が詰まってて、自分の後ろも車が繋がってる様な時に減速しつつ会釈の様なサインを送ると、手をあげたりクラクション軽く鳴らしたりと言ったら謝辞の意を示してサッと合流してくれます。
こっち見てますからこちらの車は勿論認識してますし、道を譲るor譲らないといったこちらの意思まで(ある程度)見てますんで、一番安心出来るタイプです。

し か し !

極々稀に殺意を持って狙って当てに来る凶悪なのがいます。
私は覚えてるだけで3件あってうち2件は暗かったので目線は確認出来ませんでしたが、昼間対向車線右折して来て当てに来た軽トラの爺さんはガッツリこっち見てました。
遠くても視力が悪くても、割と相手の表情は見えるもんです。
ドライバーは大抵気の緩んでる表情してるもんですけど、明らかに悪意を感じる表情してる人はちょっと気を付けた方がいいかもしれません。

◯車を見て来る
こっちは見てるけど視線は合わない、殆どのドライバーがこのタイプだと思います。
アイコンタクトや表情での意思疎通はかないません(ハンドサインやクラクション、パッシングなどは可)
ドライバーを見て来る人は相手の車を「人が運転してる乗り物」として見ているとするならば、車を見て来る人は「道路上を走る物体」として見ているイメージです。
ちゃんと見てくれてますんで大抵は危ない事にはならないのですが、微妙なタイミングで出て来る事があるのもこのタイプです。
この手のタイプに道を譲ると、そもそもこちらの意志なぞ意識してないので道を譲られた事に気が付くのが遅れます。
そして「あ!これって譲られてる⁉︎」と気が付いて慌てて出てきます。
相手の意思を確認しようとしない代わりに、自分に都合よく「相手はこうするだろう」といういわゆる「だろう運転手」しがちなのもこのタイプ(そもそも相手の意思を確認しようとしていない)
微妙なタイミングで出て来て優先道路走って来た車にブレーキ踏ませる事を躊躇しません。
なので、目が合わない相手の場合はノールックで出て来たり狙って当てて来る人みたいに差し迫った危険はありませんが、こちらが気を抜いてよそ見してたりすると事故りかねない相手ですので、危ないタイミングで出て来ないか気を付けている必要はあります。
ちなみにこのタイプ、当てて来る事はありませんでしたが寄せて来る事は多々ありました。
この問題の状況なら、こちらが減速するか避けるかするかどうかギリギリな感じで車の鼻先だけ道路に出すんですね。
で、こちらが引いたら出て来る。
根性試しみたいなノリでやってるみたいなので、こちらが強気で突っ込んで行ったりパッシング(というかハイビーム)やクラクションでも止まります。

◯車と車の間の空間を見てる
これは最近気が付いた事で前書きにも書いた「女性とお爺ちゃんドライバーが危険に思える理由」なのでは?と思われる原因で「そもそも車を見ていないのでは?」という「疑惑」です。
勿論アイコンタクトも何もありません。
相手の意思とかも関係なく、他の車の事は壁や電柱と同じ「障害物」みたいに思ってるように見えます。
育ちの良さそうなお嬢さんとかでも道を譲った時にノーリアクションで通過される事が多々あったのですけど「そもそも相手の車なんて見てなくて自分が進む方向を確認するだけで精一杯」なのだと思うと納得なのです。
このタイプの方々は自分が入り込めるスペースを見ています。
そのスペースが閉まって無くなりそうになると慌てて無理にねじ込んで来ようとする時があります。
私が他の記事で書いた「インディー・ジョーンズ症候群」と名付けた習性です。
「え?このタイミングで?」っていう状況でも自分が入れると思ったら入れて来ます。
自分が進もうと思っていたスペースに対する執着が強いように思えます。

つい最近までこのタイプのドライバーは私にとって「何して来るか分からない」人達でした。
しかしこれに気が付いてからは「相変わらず危なっかしいけども行動の予測は出来る」人達になり、危ない目に遭う事はより少なくなりました。
アイコンタクトで意思の疎通は叶いませんが、自分が進みたい方向への執着が強いみたいなのでどうしたいのかが割と一目瞭然です。
明らかにこちらがブレーキ踏まないと当たるタイミングでこちらの車の鼻先にねじ込んで来たりしますけど、これを予測してないと超おっかないのですが「あ、来るな?」と予測出来てたら対処は出来ます。
やってる事は危険なのですけど悪意がある訳ではなく、変な小技を使って来たりする事もほとんどないので予測が出来れば「車見てて運転者見てないタイプ」より対応は簡単に思えます。

何故このような差が出るのか

結論から言いますと「目線の高さ」ではないかと考えています。
「他人と目を合わせる」事に抵抗が無い人が視線が高くなりアイコンタクト出来るようになるのだと思います。
私もそうですが、アイコンタクト出来る人は目線が高くて先の方を見てる。
だから危険要素の発見も早い。
目線が低くて前を走ってる車のナンバープレート辺りを見ている人は、先の方が見えないので対処も遅くなる。
また、目線を低くすると左右の視野も狭くなる。
バイクの学科教習で、前傾が強くなると左右の視界が狭くなると教わります。
車でも視線の高さで同じ事が起きているのではないでしょうか。

動物は他の生き物と視線が合う事を嫌います。
最近見かけなくなりましたが、田んぼや畑の鳥避けに目玉模様の風船が使われてた事がありました。
体の模様に目玉があってそれで相手を牽制している生き物もいます。
人間も勿論そうで、他人と目を合わせる事を極端に嫌がる人がいますけど、生物の本能的には正しい反応です。
しかし現代人は他人と目を合わせる事を躊躇しない方が活躍出来ます。
人間関係でもそうですし、スポーツでは顕著に差が出ます。
それで積極的に視線を合わせられる人がアイコンタクト出来る人になるのだと思います。

で、次は冗談みたいな話になりますけど、車を正面から見たら人の顔みたいに見えますよね?
ヘッドライトが目玉とすると人の顔みたいに見えます。
車を見てない人達は、もしかしたらコレに抵抗があって目を逸らしているのではないかと思ってます。
田んぼの風船と一緒で、目ではないのに目みたいに見えるのではないかと。
「そんなバカな」と思ってしまいますけど、思ったところで自分達は野生の動物と同じである事には変わりはありません。
でなけりゃ視線恐怖症なんて症状が存在する訳ないんですから。

この記事を読んで参考にして真似してみようと思ったあなたは相手のドライバーの顔を見ると思いますんで、自ずと視線は高くなる筈です。
イメージとしては、普通に車の流れに乗って走る場合、目の高さで前を走ってる車の2~3台くらい先を見る感じ。
左右の視野も広くなりますし、ルームミラーやドアミラーへの視線移動も楽になります。
ミラー全然見ない人っていますよね?
そういう人達は視線が低いんじゃないでしょうか。

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