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【統失彼女(1)〜(8)】を読んでの感想

先日、フォローしてくださった、高見もやさんの、創作大賞2024応募作品の「統失彼女」を一気読みしました。
物語の先の展開が気になる作品でした。まだ、読み終わって日付けが変わらない内に、フレッシュな感想を、ネタバレしないように気をつけて書いてみようと思います。

まず、この作品終了後の作者の記事に、「これは単純に受け入れられるような作品なのか。」という記載がありましたので、それについて思うことです。読み終わっての第一印象は、「面白かった」です。そして内容を一言で表すなら社会派恋愛小説でした。障がい者福祉の現状への問題提起を絡めながら、登場人物の人間模様を場面事に切り取った読みやすい内容でした。

そして、何故、読みやすく面白く感じたのかについては、統失彼女というタイトルの印象とは対照的に、主人公の目線が"病気の"彼女、ではなく、"一人の人間"冬木さん。という見方をしていたからではないでしょうか。
病気の症状なども物語中に出て来ますが、専門的な言葉はさらっと分かりやすい解説で流し、主人公の心の内の移り変わりや、行動が表現されていたからだと思います。

何だかここまで、小難しい分析のような感想を書いてしまいましたが、一番感じたことは、実際にこの主人公のように、病気への偏見より先に、病気を知ろうと調べ、近くにいてくれる理解者が居たら、統失当事者はどれだけ気持ちが落ち着くだろうか。

そして、統失当事者になり生きづらさを感じ自分のことで手一杯になり、気づきにくくなるかもしれませんが、社会には、統失以外にも様々な生きづらさを抱えて生活をしている人がどれだけいるだろうか。そのどれもが、自分も当事者になり得ることを忘れてはいけない。

加えて、統失当事者も支える側になれる。支え合う関係もなし得る。

ということで、読んだ後に心に残りました。作者の、高見もやさん、ステキな作品をありがとうございました。

あとは、これはフィクションなのか?ノンフィクションなのか?ちょっと気になりました。

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