夏夜に咲く | #夏の想い出 ショートショート
肌にまとわりつく、ぬるい空気。
息を吸う度に入りこむ、湿度。
遠くから聞こえる、セミの鳴き声。
高いところから射しこむ、太陽の明るさ。
意識が戻るにつれて、私に、夏の朝が訪れる。
「もう朝か...」
少し濡れた肌で、体調を確認し、
意識を戻した私は、
目覚ましが鳴らない様に設定を消し、
吸い込んだ空気をすべて吐き出しながら、
ゆっくりと立ち上がる。
昨晩の雷雨が嘘のように、雲一つない空。
私は空を窓越しに見ながら、
『天気が心配だったけれど、夏祭りあ