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ひとつの時代の終わり

9月8日、英国のエリザベス女王 崩御。

前々日にトラス新首相の謁見を受けたばかりで、前日には突然、体調が
思わしくないとの報が流れ、そのまま・・・
(ちょっと前までは元気だったのに急に、というのは、一体何が起こって
 いるのだろう? 人体の、生命の、不思議である)

なんというか、英国も華がなくなってしまうな、という感じがする 👑

小田中先生、しれっと辛辣 (まるっと同意)。

ニュース記事によると、女王は失敗をしてもリカバリーする能力が高かった
らしい。
ダイアナ妃が亡くなった時のことをよく覚えている。
(報道のし方もあったのかもしれないが) 数日沈黙していた女王のことを、
王室を去った人はまったくの他人と切り捨てられる、厳格で冷淡な人の
ように感じたものだ。
この時、さまざまなスキャンダルもあいまって、英国内で王室不要論が
かなり強まっていたようだ。
にもかかわらず、ダイアナ妃亡き後の王室人気をここまで回復せしめた
のは、女王の柔軟なアップデート能力にほかならないのだろう。
過ちては改むるに憚ること勿れ、である。

ダイアナ妃の棺の後ろを、ウィリアム&ヘンリー両王子とチャールズ
王太子 (新国王)、フィリップ殿下、ダイアナ妃の弟のスペンサー伯爵が
行進する姿にはうっかり涙を誘われたものだ。
女王は宮殿の門のところで、通過する棺に会釈していた。

ダイアナ妃には王子がふたりいることは知っていたけれど、ウィリアム
王子があんなにダイアナ妃そっくりだとは知らなかった (当時は髪も母親
譲りのふさふさの金髪だった!)。
確か、英国国民も王子が左利きであることを初めて知った、と報道して
いたはず。

あれ? 今はウィリアム王子の子どもたちはよくメディアに出ているし、
みんな顔を知っているけど、なんで? と思ったら、当時はまだインター
ネットがそこまで普及しておらず、SNS なんてものも生まれる前で、
王侯貴族の顔を報道するのは主にテレビだったからか!
あるいは、“開かれた王室” 前は文字どおり高貴な人々はカーテンの奥に
隠されていたのかもしれない。

そして、カミラ夫人があっさりと王妃になっていることに、ちょっと
びっくり。
再婚時には、チャールズが即位後も王妃ではなく国王夫人と称すると
いうことだったはず (手許の文献にも明記してある)。
エリザベス女王の意向だったそうだが、まさに過ちては、ということか。

時代錯誤な価値観に凝り固まったどっかの国のロイヤル観とは雲泥の差
だし、自らの非を認められない我の強さを自己肯定感の高さと勘違いした
どっかの国の政治屋たちは見習うべきではないか (女王様が遺してくれた
最後のチャンスに託けてでも、引き返すべきだと思う)。



日本の女王というわけでもないのに、なにやらものさびしいような気が
する。
英国は現然たる階級社会で、上流階級は下の人々に対し冷淡で排他的、
というイメージは未だにあるし、実際にそうなんだろうけれど、そうした
ことはぶっちぎりで、女王は国民の日常に溶け込んだ存在だったんだろう
と想像する。
この先、新国王がエリザベス女王の系譜を引き継いでいけるかといえば、
そうはならず、ゆるっと衰退していくように思えてならない。


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