何かを探し求めて、あなたへ
何かを探していた、気がする
手を伸ばして
掴みかけたものがある、気がする
前も後ろもない透明の中で
足跡を作っては
出発点も終点も僕であることが
ひどく恨まれて
周りの幻影に妬いた
影を作るだけの自分が痛くて
それでも衝動は変わらず脳を揺らした
その感覚だけが
確かに、宿っている
終われ、終われと願いながら
どこかで終わらないことに救われる僕がいた
多くの正しさに押しつぶされて
泣き出しそうな僕がいた
あなたへ
僕の前にいるあなたへ
僕の背中を押したあなたへ
僕を抱きしめたあなたへ
僕へ、
あの頃の僕へ
ありきたりじゃない
全てじゃない
それでもどうか、
僕のそのかけらを
あなたへ
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