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低きに流れた先に待つのは

水が低きに流れるように
人の心は放っておくと
楽なほうへと流される。

だから自然に任せておいちゃダメだね!

放っておいたら低いほうへと
流されていく心を理性で押し留めて
歯を食いしばって流れに逆らい
高みを目指して進まなきゃ!

多くの人はそんな価値観から
ただの鯉から竜にならんと
滝登りに挑戦する。


でも川の流れに逆らって
登った先を想像してみて。

山の天辺に着いたら
そこで川は途切れてしまう。

「いや、そこから竜に変化して
今度は天を目指すんでしょうが!」

という人も居るかもしれないけど
私の認識では鯉は
どこまで行っても鯉なので
水源近く
いちばん流れの激しいところで
それ以上どこにも行けぬまま

「低きに流れちゃいけない」

と一人で踏ん張ることになる。


でも短時間ならともかく滝の頂上近くで
ずっと留まるなんて無理だから

いつか鯉は力尽き
自分は竜にはなれぬと悟り
抗い続けた「低き」へと
やがて流されていく。


でも自然の流れに身を任せて
行きつく先を想像してみて。

低きにいくほど川幅は広がり
流れはゆったり穏やかになる。

いつしか別々に流れていた
他の川と合わさって
最後は一つの海に行きつく。

そこは流れに逆らうのがせいいっぱいで
安らぐ暇も無かった川より
ずっと豊かで広大な場所。

そこには他の川からやって来た
珍しい生態を持つ仲間がたくさん居て
自分もそのうちの一人だと知る。


だから低きに流されまいと
抗って戦って逆らって
別の何かになろうとする試みに
いつか疲れて流されても
絶望しなくていいからね。

低きに流れた先に待つのは
死でも破滅でもなく
多種多様な生きものが共存する
自由で果てのない海で

そこでなら君も君のまま
自然な姿で生きられるから。


🌸最後までご覧くださり、ありがとうございました🌸