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ウィッシュノート
2022年3月27日 21:32
(前回の続きです)しかし人にしろ花にしろ、この世に生きとし生けるものは、必ず行いに対する報いを受けます。青年が過去にネモフィラに与えた救いが、救いとなってネモフィラから返されたように。花たちに背を向けた時は、花たちに背を向け返されたように。一心にネモフィラを想い続けた青年のもとには、想像もしない報いが訪れました。それは、なんと王家からの使者でした。どうして王都に行ったこともない
2022年3月24日 22:24
(前回の続きです)他の全ての花に見捨てられた青年に、ネモフィラだけが「良かったら私を植えて」と協力してくれました。可憐な姿に反して『どこでも成功』という花言葉を持つほど丈夫で繁殖力の高いネモフィラは、剥き出しだった大地をたちまち青く染め上げました。以前の華やかで賑やかな景色とは違い、一面にネモフィラが咲く様子は、気持ちを高揚させるのではなく、心を洗うような美しさがありました。咲く花
2022年3月22日 22:38
昔々、王都から遠く離れた村に、不思議な力を持った青年が居ました。青年は花に触れることで、花の心を知ることができました。しかしそんな力を持つ人は、少なくとも青年の知る限り自分だけ。自分の能力が特別だと知らなかった頃。まだ子どもだった青年は無防備に「花が水を飲ませて欲しいって」「ちゃんと外に出して日に当ててと言っているよ」と花たちの要望を周囲の人に伝えていました。すると大人には