図書館の魔女 1~4 高田 大介 講談社文庫

 かのメフィスト賞受賞作。分厚い文庫本が四冊。恐れをなすか、にやりと笑って読み始めるかは、アナタ次第。

 とある国々が接する海峡の帝国。そこには世界でも有名な図書館がある。その図書館よりも、その館長が歴代に渡り政治を操ってきたことは誰しも知るとおりだった。そして今。かの図書館には魔女が住むという。その魔女と送り込まれた男の子、キリヒトが出会ってから、時代は容赦なく回り始める。彼女と彼の行く手には何があるのか・・・。

 四巻の厚さを感じさせないストーリーとプロットは素晴らしい。そして言語学者たる著者の言葉への思い入れや散りばめられた薀蓄の多様さに敬服する。そして、なにより主人公とその周りの人達ちのキャラクターが立っていて読んでいて楽しい。主人公の設定は、最初の50ページ程でわかるのだが、その設定こそ、後々効いてくるのは見事としか言いようがない。

 続編が期待できる終わり方であり、期待通り続編「烏の伝言」が上梓されている。本編の正統な続編は、ずっと前に出るはずだったが、音沙汰が無い。短い首を長くして待って居よう。

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ホント、待つのみ。


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