図書館の魔女 烏の伝言 高田大介 講談社

 2017年のベスト3冊のうちの1冊(というか、4冊がセット)の続編。

 道案内の剛力たちに導かれ、山の尾根を行く逃避行の果てに、目指す港町に辿り着いたニザマ高級官僚の姫君と近衛兵の一行。しかし、休息の地と頼ったそこは、陰謀渦巻き、売国奴の跋扈する裏切り者の街と化していた。姫は廓に囚われ、兵士たちの半数以上が得体の知れない暗殺者に命を落とす……。

 まったく前作と繋がらない登場人物だが、中盤すぎるまで前作とのつながりがわからない。さらに、そこまでに登場する数々の謎が、これまた多い。ところが中盤以降、その謎が絡み合い解けて行く。その描写が素晴らしい。伏線の張り方と回収が見事である。登場人物の設定やエピソードも含めての見事な収束を堪能できる。

いやぁ、見事です。続編PART2も年内発行がアナウンスされ、期待が大きい。

===

ところがどっこい、2021年現在まで、音沙汰無し・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?