福祉系職能団体は機能特化すべきか?

福祉系の職能団体は、事業型職能団体、アドボカシー型職能団体、教育機会提供型職能団体、ユニオン型など、もっと特色出していけばいいと思います。

ソーシャルワーカーは活動趣旨に賛同するところに会費を払うことができるような仕組みをつくっていけば、もっといろんなアイデアがでるではないか。

例えば、東京の区レベルの職能団体が、「その地域のさまざまなニーズに即したソーシャルアクションのプロトタイプ」を行うなど。

仮説→調査→実施→検証を、区レベルの職能団体で行い、職能団体で実施したことから得た「手法」を各々が組織に戻り、創意工夫して、組織内アクションに活かせないか。


例えば、病院のMSWなら、医療依存度の高い方の在宅援助をしていれば、「この方は、家に帰ったあと、ずっと家族がケアしなければならないのだろうな。この医療依存度では介護施設はレスパイトケアはできないだろう」と想像力が及んだ時、うちの病院で1年のうち、病棟が空きがちな時期のデータはあるだろうか、もし、そういった時期に医療依存度が高い人を数日ほど入院でケアできれば、組織としても病床稼働率というKPIをクリアでき、かつ、地域に存在する医療資源として果たすべき役割を遂行することで、地域の住民、関係機関からの信頼を得ることができ、中長期的な組織としてのメリットも得られ、なにより、必要としている人に医療資源を適切に配分できるかもしれない」

という思考プロセスが生まれたなら、実際に、在宅のケアマネージャーに、医療依存度別に、レスパイトケアを提供している地域資源を調査、病院でのレスパイトケアの必要性を確認し、あとは、病床稼働率の年間推移を医事課からもらい、そして話が通じそうな病棟の師長を抑え、

レスパイト入院の主治医を誰と想定し(何科とし)、誰と一緒にどのように働きかけて医師の了承を得るか、という組織内の政治ゲームをクリアしながら、組織の中に「レスパイトケア」という組織の資源を最大限活かした、地域に提供できる新サービスをつくることもできるだろうな、と。

すでに全国には事例があるだろうし。

ほかにも、地域包括支援センターのSWerとMSWが組んで、入院バックベッドを有した組織協働アウトリーチとか、地域と共同で医療福祉教育(たとえば「延命治療の選択肢教室」)をひらいたり、など。

こういうプロセスを、ソーシャルワーカーたちが組織内で踏むことができるように(トレーニングさせる)するために、職能団体は、そういった場を「地域に資源をつくる」という過程でたくさん生み出していくべきだというふうに思うのです。

そして職能団体の会員が実行したソーシャルアクションをデータとして会員全体に参照できるようにしたりするなど、やり方次第で、地域レベルの職能団体は、とてもおもしろいように思いました。雑文ですが、備忘録もかねて。

以前に、職能団体についての私見を書きましたので、よろしければ、ご覧ください。


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