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📙雲の上の世界〜地球への派遣〜
※これは、📗雲の上の世界から繋がっている話です。
白い雲の上で、次の地球人生の輪廻転生のために並んでいる。
並んでいる列の半分くらいまで来た。
先の方で、一つの魂が右にある白い階段を登っていった。
そっちは輪廻転生の道ではない。
俺は悟った。あの魂はリタイアしたのだ。
きっと元いた天国に帰るのだろう。
リタイアという手もここではある。
次の地球への輪廻転生をやめるのだ。
地球のためにはもう働かない。
自分の家(天国)に帰るのだ。
地球上の魂には元いる地球人の魂と、そこに入り込んでいる光の魂が存在する。
地球も地球人の魂も元々は天国の近くに位置し、皆崇高だった。
けれど、地球は地へと堕ちたため、否応なしに崇高でいられなくなった。
地球では、清くいたくてもいられない。
そんな世界だ。
光の魂は天国を故郷とする天使だ。
大天使と、それを手伝う子天使がいる。
俺は階級の低い3歳児程度の子天使だ。
地球に人間として生まれ、魂が大天使の手伝いをするために、こうやって、今並んでいる。
3歳児にさせるにはあまりにも酷な世界じゃないか?争いの絶えない世界だというのに。
けれど、自分自身である子天使より、大天使は地球上でもっと過酷なのだ。
自分のこれまでの人生ですら、過酷で痛いものなのに、大天使の人生はそれ以上だなんて、考えただけでも痛くなってくる。
ここの仕組みは地球上で言えばこんな感じだ。
本社に社長がいる。それが天国でいう神様だ。
その下の副社長。それがこの世でいう大天使だ。
彼らの身なりなども、それはまた後々話そうと思う。
そして役員。それが地球を作った本人たちだ。
平社員とも接し、パートとも接する。
これも大天使だ。
大天使にもヒエラルキーがある。
地球を作ったのは大天使の中でも下っ端の大天使だ。
イメージで言えば役員は新しい子会社の社長である。
その新しい子会社が地球である。
その子会社で、問題が発生し、本社にいた数名、その子会社へ駆り出されている。と言えばこの世界の住人はわかってくれるだろう。
先ほども話したように、地球は地へ堕ちた。
それが問題なのだ。
だから、本社の社長や、副社長は、子会社の失態を見守っているというような状況だ。
仕分け人は本社にいる平社員あたりだろう。そして俺はしがないパートタイムというわけだ。
本社にいたしがない俺は今、子会社への派遣を行っているというわけだ。
天国にいるみんながみんな、地球のために手伝っているわけではない。
手伝っているのはごく一部だ。
だが、我々パートタイムは帰りたければ帰っていい。
辞めたければ辞めてもいい。
それはただの自然の摂理だ。
ようやく、仕分け人が自分の前に現れた。
自分の面接の番だった。
けれど、前世を決めた仕分け人と変わっていた。
前回の仕分け人は色白のホワホワとした優男のような人柄だったが、今回は色黒の屈強とした男だ。
その天使はちょっと疲れているようだ。
生きている人間とは、比べ物にならないくらい天使はタフだが、彼らも疲れはする。
けれど人間のそれとは比べ物にならない。
なんて言っても肉体がなく、とても軽い。
だから、寝ず、食わずでずっと働くことが出来る。
寝ず食わずでいられる世界だからだ。
地球上の人間で言えば、寝ず食わずの労働363日連勤に2日くらいの休みで十分な体質、性質で出来ていると言っても過言ではないだろう。
地球と天国は全く別の世界なのだ。
いよいよ、来世への交渉が始まる。
ここでミスをするわけにはいかない。
俺は、地球へ遊びに行っているのだ。
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