📗雲の上の世界〜まぁるいもの〜

虹の橋の途中で、パパとママが向こう側に二人で立っているのが見えた。

何だか二人とも不安そうな、心配そうな顔をしている。

僕はパパとママの元へ行った。

「僕ね！人間の天国に行ったよ！色々あったんだ！楽しかったよ！」
するとママは言った。
「そう。でもね、一人では危険だから、これからは行っちゃダメよ？」
ママは、優しく諭してくれた。
「うん‥わかった」

僕はちょっとガッカリした。
おばさんにもまた来るといいって言われたんだ。
でも、パパとママが本気で心配しているのがわかったから、僕は言うことを聞くことにしたんだ。
パパとママがこんな顔するのは初めてだったから。

僕は二人と手を繋いで、木の下のお家に帰って行った。

それからもずっとすることはない。
退屈だった。

だからずーっとママの胸の中で眠り続けた。

眠って眠って、このままこのピンク色をした世界に溶け込んでしまいそうだ。

僕はピンクの雲にでもなるのだろうか‥。

そう思っていたら、何やら向こうの方が騒がしかった。

今度は木から向かって左側。
人間の天国とは反対側。

左側には際がある。雲の際。

そっちの方から歓声が聞こえる。
僕は何だか、興味が湧いて行ってみることにした。

今度は危なくない。虹の橋は渡らないし、
同じピンク色の雲をした世界だから。

行ってみると、
そこでは僕くらいの子供の天使と、大人の天使が何か一緒にやっていた。

まぁるい物を作っては、「んー。違うんだよなぁ」と言いながら際の外。雲の下に放り投げている。

僕は近くにいた、僕くらいの子供の天使に聞いたんだ。年はここで言う3歳くらい。

「何してるの？」
「うふふ。これからここへ度々来ればいいよ！そしたらわかるさ！」

放り投げられたまぁるい物を見る。
パパと際で雲の下を除いた時みたいに、まぁるい物は浮いていた。