不思議な出来事について考える①

はじめに

私は怪談や不思議な話が好きです。
「そんなの作り話だよ。」
「たまたまそういう勘違いしただけでしょ。」
と言う人もいますが、この手のお話は単純に読み物として、読み応えがあって好きなのです。
私自身も、友人や知人などに
「不思議な話とか怖い話ない?」
とよく聞いています。
そんな中でいくつか印象に残っている話もあるので書いてみようと思います。
ただ、せっかくこうして形に残すことができるので、1番最初は自分自身が経験した話を書いてみようと思います。

夜中に声をかけてきた影

これは私が高校1年生の時の話です。
当時実家住まいだった私は2階の寝室で眠っていました。真夜中、なにか話しかけられている気がして目が覚めました。ベッドから体を起こして部屋を見渡すと、部屋のドアが少しあいていて、そこに人影が見えました。しかし、当たり前ですが真夜中なので部屋は暗く、人影が誰なのか、まったくわかりませんでした。ただ、なんとなく人影がこちらを見ていることは分かりました。その人影は
「まだ起きないの?ねえ?」
と話しかけてきていました。少し急かすような言い方でした。私は寝ぼけた頭で考え、
「ああ、お母さんか。」
と思いました。声が私の母だったのです。しかしそれでも不思議です。今が何時かはわかりませんが、こんなに真っ暗。おそらく真夜中です。深夜に出かける予定なんかありません。私は
「いや、まだ夜じゃん?」
と言いました。するとその人影は
「え?起きないの?」
と言いました。
「うん?なんで?」
と私は聞き返しました。
人影は
「起きないんだ。」
と言って少し開いたドアの向こう、真っ暗な廊下に消えていきました。
私は部屋でしばらくぼやっとしていました。枕元で充電していたガラケーを開いて時間を確認します。時刻は3時10分。やっぱり、真夜中です。
「お母さん、なんか変だったな。」
そもそも、私の母は、朝早起きするのは得意ですが、夜遅くまで起きていることはない人間なのです。私は少し心配になり、トイレに行くついでに母と父の寝室を見に行くことにしました。私の部屋を出て右側が弟たちの部屋。まっすぐ進むと両親の寝室です。廊下の電気をつけ、両親の寝室へ向かいました。そーっとドアを開けると、父も母もぐーぐーと寝息をたてていました。私はそれを見た時、
「それはそうだよなあ。」
と思ったと共に、
「じゃあさっき話しかけてきた、母のような声の影は誰だったんだ?」
と少し怖くなり早々に用を済ませ、自室に戻りました。あの話しかけてきた人影はなんだったんでしょうか。


この話について考えてみる

この話を他人に話すと大抵
「寝ぼけてたんじゃない?」
「夢と混ざってるんじゃない?」
と言われます。
自分でここまで話しておいてなんですが、私自身も、「そうなのかもな。」と疑っています。それでもひとつだけ気になることは、ドアが中途半端に開いていたことは紛れもない事実なことです。これは確実に覚えています。眠る前に自室のドアを中途半端に開けて寝るなんてことはしません。あの日見た人影。あれが夢とか、寝ぼけた事で見たものだとして、どうしても開いていたドアの説明はつかないのです。だから私は、この出来事は、なにかそういう類の存在によるものだ。と決めつけています。怪談好きとして、その方が浪漫がある。と思います。だとすると、あの人影は何を訴えたかったのでしょうか。もしかしたら周りに幽霊仲間?的な者がいなくて寂しかったのかな。それでなんとか人間に干渉しようとしたのかななんて考えることがあります。そう思うと少し切ないような気持ちになります。私の地元は人口数千人しかいない村で近年は過疎化も進んでいます。幽霊の世界があったとして、あちらの世界でも過疎化が進んでいるのかもしれませんね。



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