崖っぷちOLの本棚紹介「会社を綴る人」(朱野帰子)
祖師ヶ谷大蔵のブックショップトラベラーにて、
ひっそりと、売れない棚主をやっております。
主に働いている女性向けに、小説中心で置いてます。
「ファーストクラッシュ」(山田詠美)が売れた。祝!
山田詠美作品がお好きな方だったのかなあ。
山田詠美さんといえば「ぼくは勉強ができない」だけど、
特にティーンエイジャーの、
まだ世界が狭いからこそ濃密な、感情やら思考回路やらを
奥行きのある文章で見せてくれる作家さんですよね!
山田詠美作品といえば、結構アダルトな描写も多いんだけど
「ファーストクラッシュ」はそういう要素がなく、純度100%の胸キュンを催させる恋愛小説でございます。
今回はこちらの紹介してみる。↓↓
マンガ感覚で読める!主人公がただのポンコツなのに、不思議なやる気が湧いてくる小説「会社を綴る人」(朱野帰子)
事の成り行きで、老舗の製粉会社に勤めることになった紙屋くんというアラサーが主人公。
この紙屋くんが、まー仕事ができないできない。
ただ、彼には文章力という唯一の武器があり、単なる予防接種(健康診断だったか?)の勧奨メールも、ただの事務連絡では終わらせない。
読ませる事務連絡。
紙屋くんのいいところは、
いつまでたっても根本的な事務処理能力は低いままなのだが、
「教えてくれないほうが悪い」の他責に逃げたり、「やったってやんなくたって同じじゃねーか」と投げやりにならず、
仕事できないなりにちゃんと右往左往するところかなぁ。
その可愛げのおかげか、ちょっとめんどくさそうな先輩にも、なんだかんだと声をかけられている。そういう人いるよね。
そして徐々に社内で独特なポジションを得て、何やら重要っぽい仕事に巻き込まれ…
という話なのですが、
紙屋くんがいつまでもポンコツなところに、
そしてある面では確実に成長しているところに、
なんか元気をもらえるんだよね。笑
サラリーマンやってますと、
「またやっちまったー全然変わらないやダメだ自分」と思ったり
はたまた新しいことができるようになって手ごたえを感じたり
その繰り返しですもんねー。
ダメな自分を見てるみたい。
同期と比べて自分遅れてね?とかって焦りを感じている社会人におすすめです!
★崖っぷちOLの本棚は、こちらのお店の一棚です
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