快適でラクで怠惰
快適でラクで怠惰
報道で車の事故が多々取り上げられるようになりました。不可解な突撃型自損巻き込み型は「増えている」ということなのか。よく取り上げられるハイブリッド車を切り口にしてみると、そこには快適さ・ラクさがあるのではないだろうか。
―――――そんな風に思う人は少なくないようで、ネットではハイブリッド車に関する技術的検証の情報も増えてきた。
AT(オートマティック)・自動変速
ATに限った事故なのかはちゃんと集計してみないと分かりませんが、露出している事故にはハイブリッド・AT・AIと言ったイメージがついて回るように思います。
MT(マニュアル・手動変速)の体験が多い人から見ると、ATは労力が少なく軽減される半面、デメリットもあるわけですが、操作に関して言えば「省略」が多く感じるようで、手続きを重ねて変速を完了し、クラッチを適切に操作し、前後の減速や加速を常に意識(つまり正確なブレーキ・アクセル操作との連携や移行を想定)する… ことなく自動で切り替わる。
いわば変速は車両に丸投げなのですが、ここに不安や物足りなさ、運転していない感などのネガティヴな意識も漂っています。パワーも伝わらなければ(実際の所、商用バンにMTがまだ多いのは出力が原因の一つ)、ブレーキ操作の重要性も薄れています(アクセルだけで速度コントロールできる場面が増える)。
これだけでもうすうすヤバイ感じはありますが、この快適さは無感覚・運転の主体性放棄に通じていくだろうと想像できます。
ハイブリッドなどのモーター車
モーター車がガソリン(ディーゼル)車に比べ、大きく乗車感が異なるのは加速でしょう。どんな回転からもスルスルッと滑らかに加速しトルクも充分。一生懸命アクセルを踏んだり減速したりといったメリハリは必要ありません。するするーっとイケてしまうのです。
「メリハリがない」は先程と同じく無感覚キーワードですが、さらに無感覚になる要素があります。
モーター車には加速に伴う「衝撃・振動」がないのです。アクセル踏んでも静かな回転音はありますが振動はありません。車両自体もちょっと高級車の位置づけで快適性をウリにしているので足回りの振動吸収が良くなっています。
つまり加速しながらその威力・危険を肌で感じない乗り物なのです。「新幹線のようで快適だ」がモーター車に初めて乗った人の感想です。気がつくと高速になっています。
そしてこれは運転手だけではありません。加速している車の音が響けば歩行者や自転車も驚いて自分とその車を見ます。
その反応から「ああ、ちょっとアクセル踏みすぎたな」と自覚できるのですが、このフィードバックがモーター車にはありません。
当然、被害を受ける人は無防備な状態で衝突されます。
ラクに流されても危険はなくならない
ラクな乗り物というのは危険なのですが、その上に危険を認識しにくくなっています。
例えば自転車のロードレーサーなどもそうです。
ヘタに走行性能がいいので必要以上に速度も出てしまいます。
速度は時間を奪います。
人間の脳が時間を奪われるということは、常に意識が持続する状態を保てないということです。
その上で破壊力が増します。
疲れている時などラクな車は有り難く感じると思います。
これは正しい使い方だと思います。
そんな時は急いで走ろうとも思わないでしょうしね。
だけど、姿勢や足下までラクにしてしまってはいけません。いざ操作が必要になった時、ブレーキやアクセルのペダル位置がいつもの位置にない!と慌てることになります。
硬いシートに気力のある状態で座ればこんな事は起きないでしょう。
メリハリがあり、威力を感じながら溜まったストレスを適度に休憩を入れることで解放し、気力を取り戻して運転を再開する。
こんな運転ができれば理想だと思いませんか。
記事の主旨と反しますが、やはり急いでいる時や忙しい時間帯は車を使わないか注意した方が良いようですね。都会は時間軸の生活なので車の移動には不向きだと思います。
別の意味で、脳が時間を奪われます。
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