【本紹介】思考力大全① -仮説思考と論点思考-

「思考力大全【合本版】」という本を読んだため、こちらについて紹介する。


1. 思考力大全【合本版】とは?

「思考力大全【合本版】」とは、内田和成さん(BCG出身の有名なコンサルタント)著書の「仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法」と「論点思考 BCG流 問題設定の技術」を合わせた一冊である。それぞれKindle版では約1,580円、単行本では約1,760円であるのに対して、合本版ではKindle版限定であるものの約2,850円であるため、両方買いたいならお得に読むことが出来る。

2. 仮説思考とは?

「仮説思考」とは、現時点で「最も答えに近い」と思われる答えを導出する思考法です。物事を答えから考えると必要な情報を集める前から考えるため、網羅的思考法よりも問題解決が格段に早くなるという利点を持ちます。言い換えると、少ない情報量から大筋を見通す能力ということになります。全体像を早期に建てられるため、意思決定が早くなり、環境変化の対応も早くなります。「早めに仮説を建てると、間違えてしまうこともあるのではないか?」という疑問もあるが、「現状、最も答えに近い」ことを想定して仮説を建てるため、例え途中で誤りに気づいた場合であっても、重要な問題とそうでない問題を同等の粒度で解析する網羅的思考よりも早く修正対応できると考えられる。

3. 論点思考とは?

「論点思考」とは、考えるべきこと(解くべき問題)を限定し、考えなくても良いその他多くを捨てることで、より高いレベルの成果を出す思考法である。
一般に問題解決プロセスは、「問題設定」→「解決策の立案・提示」→「実行」→「問題解決」というプロセスで進む。また、上流工程で間違えた場合、下流工程が正しく実行できても問題は解決できないこととなる。そのため、解くべき問題を正しく設定するということの重要度が高いことがわかる。
別の方の本だが、安宅和人さん(ヤフー株式会社 CSO)著書の「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」も論点思考の大切さを訴えている。「イシューから始めよ」では、「解の質」と「イシュー度」の両方が高い問いを建てることを推奨している。問題解決の質を高めることだけに注力せず、解くべき問題かどうかをしっかり考える(悩むこととは異なる)ことを意識すべきである。

4. 仮説思考と論点思考のどちらが大事なのか?

「仮説思考と論点思考のどちらが大事なのか?」という問いについては、この方のnoteを観ていただくと良いと思う。論点が誤っていれば、どれだけ良い仮説を立てても失敗してしまうので、実際に大事であるのは論点思考であろう。一方、実際の業務では依頼された仕事に対応することから始めることも多いと思うので、その場合は仮説思考が活躍する場面であることを考えると、まずは本書の順番通り仮説思考から勉強すれば良いと思う。

5. 参考リンク集(Amazonの購入ページに飛びます)

参考リンク①:思考力大全
参考リンク②:仮説思考
参考リンク③:論点思考
参考リンク④:イシューからはじめよ

ちなみに「右脳思考 ロジカルシンキングの限界を超える観・感・勘のススメ」という本もあるが、今回は省略する。

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