非常灯

あたしの中で
いくつものスーパーボールが暴れてるみたいに
騒がしい
そんな非常ランプを隠して
冷静な顔でこの場所を歩くには

さっき買った駄菓子じゃ足りない
さっき施したメイクじゃ足りない

言葉はきっと
口に出す前は無菌室で保管されてて
音となってこの薄汚れた外気に触れた途端

嘘になってゆくんだわ
古くなってゆくんだわ

そう思わなきゃ
あたしの中で暴れるスーパーボールも
ウォータープルーフでも太刀打ちできない涙も
止められないんだもの

きっとあなたの言葉は嘘を帯びて
きっとあなたの存在は想像の籠で揺れて
消えて無くなる
べきだったんだわ
そうだったんだわ

あたし
間違えたんだわ

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