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1軍、2軍、3軍

ビーサンの話である。海から上がった時、ビーサンがなくて裸足で駐車場までヨチヨチ戻ったことがある。おニューのビーサンだったのでかなりヘコんだが、サーファーさんのどなたかが間違って履いてったのか(間違ったなら別のビーサンが残ってるだろうけど)…とにかくサーフィンを始めて間もない頃、ビーチの入口付近でビーサンを脱いでいくという風習を知った直後のおニュービーサン紛失事件を経験して以来、ビーサンへの執着心はなかなかのものだと自負している(笑)。

先ずは3軍のビーサン。これをサーフィンの時に起用する。ほんとはお気に入りのビーサンを履いてサーフィンに臨みたいところだが、過去のトラウマで、どんなにカッコつけたいシチュエーションでも(どんな場面やねん)ヨレヨレクタクタの3軍を起用する。

そして2軍のビーサン。これはつい昨日まで1軍で活躍していたにも関わらず、おニュービーサンを新調したことで急に2軍へと降格させられるのである。2軍はベランダでの筋トレ時や、近所のコンビニ、ゴミ出しの際に起用され、いつか1軍に戻れる日を虎視眈々と狙っているが、若手の台頭で日の目を見る事はなさそうな気配だ。

そしていよいよ1軍。これはもう、ただ単に1番おニューっていうだけでチヤホヤされる。デザイン、履き心地、濡れても平気か、又は速乾性があるか、クッション性、等々…悩んで厳選された1軍ビーサンは公式な外出時に堂々と起用されるのだ。3月〜11月の期間は天神も博多も(この辺では都会) 足から上のファッションに左右されることなく1軍ビーサンが街を闊歩する。

さすがに秋以降のビーサンファッションはツッコミドコロ満載だが、それほど厳選したんだという自負が、周囲の非難を聞き入れない。

ちなみに新たな1軍ビーサンが入団するのは、3軍がちぎれたりして引退する時である。全ては3軍次第なのだ。海へ向かう際に気が焦りすぎてビーサンに負荷がかかり過ぎるとブチっといってしまう。その時、2軍が3軍へ、そして新たな1軍をスカウトし、入団の運びとなる。

全てのビーサンがもとは1軍だったわけで、自分の中ではみんなを愛している。ただどうしても過去のトラウマで愛するものを失いなくない中で、もし失うとしたら…最もフルカブの3軍ビーサンがサーフィン担当となってしまう。

今年の夏は思うように海に行けず、3軍は現役バリバリ…どうやら今季1軍入団はなさそうだ。あらためてビーサンに感謝、愛してるぜ!

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