眠りたい。

寂しい。日常が寂しい。満たされないし、刺激がない。ずっと家にいる。周りの景色変化がない。自分から変えなきゃ変わらないシーンの連続。それに飽きるのは、たいてい夜。変えたいけど、変えられないから、寂しくなる。ベランダに出て外の空気を吸う。夜の匂い。家の明かりが灯す下には、何を照らしているのか。幸せな家庭が想像できる私はきっと幸せ者なのだろう。虫が鳴いている。秋の不安げな風。私を不安にさせないで。家の中に入って窓を閉めた。一瞬の安心と、その安心に溶け込む速度はいつもよりはやかった。不安や寂しさが私の心の中を占めるより先に眠気が来てくれればいいのに。眠気はいつも1番最後にくる。どうか眠気が私の思考を止めてくれますように。私は今それだけを願っている。早く眠らないと、明日が辛くなるでしょう。だから、ここはきっぱりと眠ったほうがいいと思うの。と、私は私に問いかける。でも、眠たくないんだと私は答えた。昼間の眠気に勝てなかった。だって眠りたいときに眠るときが1番幸せな眠りにつけるでしょう。これも、堕落者の考え。夢をみるときは決まって無理矢理眠ったとき。そして、暗くて怖くて不安な夢をみる。夢で良かった。と、目が覚めて思うのはいつものこと。この現実も全部夢の中だったらいいのにな、なんて考えも夜には出てくる。今までの苦しみが全部もうなくなるのなら後悔はないな、なんて。夜に苦しみを苦しみとして見ると、みるみるうちに重い苦しみとなっていく。もう、いいや。苦しみたくない。楽になりたい。そんな考えばかり。救済を求めるのは、夜だから。不安になるから。そんな勝手な理由をつけて、はやく眠りたい。

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