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■金融  ■為替 GOLDで通貨減価対策


2023年は、いきなり金融危機が起きた。しかも、資本主義の大本陣、米国でだ。金融引き締め、政策金利上昇で、最も安全と思われた米国債券への投資による超巨額の含み損が要因だ。米国の大きな地銀がバタバタと倒れ、それが世界へ飛び火。なんと、あの欧州で、いや世界でも最も由緒ある超名門のスイス銀行が破綻する事態。これは、凄まじい歴史的事件。これが今年起きた事。米国中央銀行は、金融緩和で一年かけて引き締めたマネーの大半をまた数週間で一気に放出。なんとか危機の鎮火へ躍起だ。まずは、市場も金融危機ネタに飽きたということと、唸っているマネーの行き場として『AI』『ハイテク』『エヌディビア』を合唱して危機には目をつぶり騒乱状態だ。
賢明なる投資家は、熱狂とは距離を置き、自分の現在地を冷静に俯瞰してながめておきたい。材料を以下に展開しつつ、結論に自分の思考は刻んでおく。



■金融 危機への処方箋

2023.5.7のゴールデンウイークにアップしたのがこのまとめ。
結論は距離をおきつつ見極めるだ。


★ドル円相場も最初は1桁だった。何しろ、もともとは1ドル=1円。
★しかし、1877年に勃発した西南戦争の戦費調達のために、政府の不換紙幣が大量に発行されると、円の価値が下落し、1897年には1ドル=2円程度まで円安が進んだ。
★1929年10月米国株価大暴落(暗黒の木曜日)発端で世界的大不況。日本でも物価が大幅に下落し、デフレに陥った。1931年12月13日に大蔵大臣に就任した高橋是清は、金の輸出を禁止し、日銀の発行している兌換銀行券を金貨に交換することを法律で制限した。つまり金本位制度の停止である。
★高橋蔵相は1932年3月、金融関係者に対し、財政政策の拡張と満州事変の戦費調達のために、国債の日銀引き受けを実施。まさに、ヘリコプター・マネーが行われこの結果、円は暴落し、対ドルで2円前後から1932年12月の4.86円まで急速な円安が進行するとともに日本はデフレから脱却した。
★高橋蔵相は、経済が回復した後は当然、日銀直接引き受けを止めるつもりでいた。1935年10月に発表した1936年度予算編成方針では「公債漸減方針」を掲げた。
★当時日銀は国債を直接引き受けていたが、引き受けた国債を市中に売却。(市中から購入した国債をそのまま保有し続けている現在の状況に比べると、直接引き受けていた当時の方が健全だった)1936年当時の日銀のバランスシートの大きさは対国民所得比で20%前後、現在比較しても極めて小規模。
★日銀は引き受けた国債のうち、当初98―99%は市中で売却できていたが、1935年度には77%しか売却できなかった。公債の市中消化が滞り、日銀が発行公債を背負い込む状況を受け、高橋蔵相は、公債政策の行き詰まりを指摘し、悪性インフレーションの弊害が現れることへの警告を発した。
★健全財政路線にシフトすることで、高橋蔵相は軍部と対立し1936年2月26日に暗殺された(二・二六事件)
その後公債漸減方針が撤回され「対満州政策の遂行」「国防の充実」「農村の経済更生」「税制大改革」の名のもとに国債が野放図に発行され、戦争に突入していったことは歴史が示すとおり(国債発行額は1932年度の7.7億円から1945年度には334億円へと13年間で40倍以上に膨れ上がった)
★戦後の日本は復興資金を日銀信用により賄ったことなどにより、ハイパーインフレに悩まされることになる。1944年から1951年までの8年間の物価上昇率は年率平均プラス100%にも達した。こうしたハイパーインフレを受けて、ドル円は円安方向へと大幅に修正されたのである。
戦前戦中戦後の1ドル=円為替推移
1939年      :1ドル=4.25円程度
1945年8月戦争終結:1ドル=15円
1947年3月    :1ドル=50円
1948年7月    :1ドル=270円
1949年4月    :1ドル=360円

★1ドル=4.25円だったドル円は、たった10年間で360円までの大幅な円安になったということだ。これが先進国通貨の中で、ドル円だけが3桁になっている理由である。
要するに、日本という国は、たかだか80年ほど前に現在と同じような政策を採用しており、その結果が現代の為替相場に残っているのだ。 『4.25円が360円になるのは、120円が10000円(1万円)になるのと同じマグニチュードである。』
後世の為替ストラテジストが、なぜドル円だけが5桁なのかを説明する時のキーワードは、「アベノミクス」「量的・質的金融緩和(QQE)」なのだろうか。  

佐々木融氏 JPモルガン・チェース銀行 2017年6月20日より
素晴らしい内容だ。。



■金融危機 ひとまず棚上げ



足元では不安定ながらも、やや一服している状況 市場は飽きやすいため、個別行への不安が維持されるためには、それを裏付ける金融関連の失望の経済指標や、実際に個別行の破綻が継続して発生する必要がある。



■金融危機 米国銀行の自己資本に対する 含み損益率

史上空前の含み損率圏。



■マネーストック減少


3ヶ月以上に渡るM2(現預金)減少は過去100年で5回目の経験


■為替 超長期視点


①1860~1940年 76→122→203→396
明治維新~戦中は 右肩上がりの円安ドル高
②1950~2020年 396→360→208→94→80
戦後~高度経済成長→平成は 右肩下がりの円高ドル安


■金融 基軸通貨ドルのチカラ

貴金属、商品がドル基軸通貨のライバル。元やユーロや円ではない。


■金融 世界の通貨システムへの来るべきショック


米国ドル体制へ新興国対抗通貨の可能性についての記事を読んで、対抗通貨がドルに代わる存在になるかはわからない。が、結局、漁夫の利のようにGOLDの存在がより輝きを増すのは間違いない。



■円が市場で売り浴びせられる通貨危機が静かにすすむ。


★日本と他国の短期金利差が大きい状態は続く。賢明な国民は目減りしていく円を見限り、『まともな通貨』へ資金移動を考えるだろう。
★日本企業が生産拠点を海外に移した結果、円安でも輸出がさほど増えない。恒常的に大幅な貿易赤字となるような国になっている。

★SNS、動画、サブスクリプション、ITサービスなどもほとんど米国から輸入するようになり、サービス収支の赤字も膨らんでいく。恒常的に大幅な貿易赤字となるような国になっている。
★円建て金GOLD価格は過去5年で倍になり史上最高値を更新。 これは金価格が上昇しているからではなく、 『円の価値が金に対して半分になっているのだ』
★日本と異なり貿易黒字維持し、政策金利もマイナスからプラスにしたスイスフランに対しても史上最安値圏。


■コラム:なぜドル円だけが3桁なのか=佐々木融氏 


『ドル円相場も最初は1桁だった。何しろ、もともとは1ドル=1円だ。』
佐々木融氏の良質なコラム。今の状況へ至る経緯は、戦前からの為替の歴史を辿ると非常に明解。俯瞰して歴史を眺めてみると自分の今いる現在地がわかる。円は危ないというのがわかる。ドルももちろん希薄化するがね。そのドル以上に円は危ない。




■結論 円は危ない。ドルも危ないが、より円は危ない。


円預金は、目の前は『紙切れ』とまではいかないが、長期でみればまさに『紙切れ。』だ。遠くない将来、戦前のドイツのマルクのように『メモ紙以下の存在』になるだろう。ドルもかなりやばいが、それ以上に円は脆弱だ。
定期預金、貯金、コツコツ預金積立は一切やらない、やる必要を感じない。

とりあえず、数か月分の生活費はしっかり確保し、あとは、現物資産、金融資産へ。金貨、コイン、金棒、貴金属、ポルシェ、ルイヴィトン、駅近の築浅の間取りや環境の良い不動産、優良な企業の株式、コモディティ投資、REAT投資などへ。。

個人的には、結局、円もドルも、ユーロも新興国通貨も軒並み通貨価値は減価して、金の輝きが増すと思うが、慎重に金だけに偏重せずに分散していく。


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なんども言うが、現金で円での貯金はダメだ。コツコツ積立貯金はだめ。
インフレに負けない優良企業の株式(個別より全世界インデックス投資が無難)、金、金貨、金棒、貴金属。ルイヴィトンなどのラグジュアリーブランド。不動産などへ分散しておくべき。長期では紙幣は紙切れのようだ。お子様や孫の時代に10分の1の減価ならまだ上等。長期で100分の1の価値になってもおかしい計算ではないと思う。

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