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愛犬短歌

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犬と暮らしてきた日々のこと、自由な短歌にしてみました。 犬を飼ってきた人には懐かしく、犬を飼いたい人には空気感を伝えられるような短歌になれば幸いです。
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#元保護犬

犬も私も いずれここから旅立つけれど 忘れないでいて 桜たち

太い桜の樹 目の前を どれだけの人間と どのくらいの犬が 通ってきたのだろう 「きれいだ…

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「引っ張って」冗談交じりに言えた昔  今は並んで上る歩道橋

ゆっくりと歩き方を見ながら一緒に一段ずつ昇る 相憐れむ仲とは、このことか なお一層、愛お…

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息ひそめ ~愛犬短歌(55)~

目が覚めて 重なりし脚の可愛さに そっと息ひそめ カメラに収める

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息の吸い吐き~愛犬短歌(54)~

叩きつける 雨音に小刻みに 震える胴体 両腕に抱いて 床で眠る日 はなと今日もふたり。 外は…

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歯磨きの姿 ~愛犬短歌(53)~

両脇を  抱きかかえられ   童子のように    歯ブラシを見つめる     愛しい老犬(画…

2

若返る ~愛犬短歌(47)~

缶ジュース  四半世紀も久しい味   ふたりで若返りたくて    空見つつ飲み干す (普段…

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ぎこちなく ~(愛犬短歌45)~

ぎこちなく  父母の声にこちら向く   12歳の夏    ただひたすらに愛しく 愛犬はな、12歳になりました。 本当の誕生日はわからないけれど、保護時の推定月齢から考えて、8月8日を選びました。 末広がりの八の字が重なることと、「アハハ」と笑っていてほしいから、という理由で選んだ日。 最近では、ライオンズゲートが一番開く日とか言われているそうで、よくは分からないながら、なかなかいい日を選んだなぁと思います。 今日は、好物のサーモンとマグロと木綿豆腐を飾ったプレートに、

過去と犬と雲と ~愛犬短歌(41)~

雲を見て  過去の苦さが胸まで登る   リードを引かずに    そっと歩く犬の優しさよ (…

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遊ぼうとやってくる~愛犬短歌(39)~

不思議だね  床で寝てると やってくる   何して遊ぶ?と    鼻近づける (画像はクリ…

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雨上がり ~愛犬短歌~

銀の滴 天窓のような 薄明り 音もさせずに 緑を行く肉球 (しーんとした雨上がりの林を愛…

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さあ笑おう ~愛犬短歌~

曇り空 膨らんだ雲 慣れた道 同じような日々 だからこそ笑おう

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笑みと銀色の滴 ~愛犬短歌~

昔はね 飼っていたのと おでこ撫で 銀の滴が 笑み皺たどる (我が家のはなは優しく人に近…

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散歩道、樹と語る ~愛犬短歌~

幾たびも 行きつ戻りつ 幹に寄り 元気と尋ねる 樹もまた仲間 (樹も生きている。感じてい…

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朝夕の友 ~愛犬短歌~

朝に夕に 手を振り互いの犬を撫で 友より友となった この10年 近所で仲良くしてくださる飼い主さんたちは、ある意味で、犬を愛する気持ちだけでつながる、昔からの友人よりももしかしたら理解し合えるような、純粋な友人だと呼ぶことができます。 時には毎日のように会うことも。 犬との暮らし、犬の散歩、それは出会いの奇跡の連続かもしれません。 (画像はクリエーター名ナチュラコ様からお借りしました。ありがとうございました。)