マガジンのカバー画像

「今日の短歌」を集めてみた

56
「今日の短歌」に応募してみたのがきっかけで、自由な短歌づくりにはまってしまいました。 その時々で感じたことやnoteのテーマに合わせて作った短歌です。 一休みで一息つく感じで読…
運営しているクリエイター

#日記

ひとつずつ 壊れたオモチャ 捨てるよに やがて現れる 希望の石よ

人生の時間は有限であるという誰かのいつかの言葉が ボディブローのように効いてくることがあ…

2

魚と肉 私の分から 少し取る 犬と生き抜く 小さな工夫

増税の噂もあり。 インボイス制度導入の未来もあり。 高い保険料。 電気代値上げ。 じわじ…

9

富士山の絵葉書 本の間から 友の叫びか 床へと落ちる 

もう会えない もう会わない もう会う気はない そう決めているかつての親友よ 大丈夫か な…

2

サンダルを脱いで 夜道のグラウンディング 犬と見上げる シャイな銀月

静かな広い道 家々に灯りがともっているのは見える でも この道には 車も人も通ってこない…

2

もし今日が 人生最後の日としたら きっと悔やむと 夕空を見る

フリーランスって自由じゃない 契約先に振り回される自由を持っているだけ 思い切って断る自…

7

幸せになりたいと 呟いた瞬間 お世話になった人へ ギフトを選ぶ

あー、つまんない あー、自分てダメ あー、もーやだ あー、今日は低い日だ … と、 自己…

4

犬を洗い お風呂掃除と 仕事の続き 昼の赤ワインだけが 祝日の証

本日(5/3)、東京駅は大混雑らしいです。 家にこもって過ごす祝日、これもまたよし。 普段と違うのは、昼間に一杯だけワインを飲んだこと。 今夜は一期一会でこさえたタイカレー。 ビールといただく予定。 夜は、読みたかった本を読もう。 録画していたビデオもちょっと観よう。 こうしたことのすべてを、 こうした自由のすべてを、 明日もこんなふうに暮らせるという予測を もうすぐ家族が帰ってくるという日常を 日本国憲法がこれまで守ってきてくれたんだ。 基本的人権を

赤と黄色 冬用犬服 洗い干す 小さく並び 揺れる可愛さよ 

人間用の服を干した竿のはじっこに、愛犬用の中綿入りの小さなジャケットが並んでいる。 もは…

5

赤ちゃんが 揺れるおもちゃを ほしがるよに 楓はぐっと 幼葉を開く

(新緑の季節になりましたね~)

6

山や川 美味しいご飯に 出会う時 嫌いはなずの父 まだ思い出す 

嫌いなはずなのに まだ恨んでいることもあるのに 彼が自分では慎ましい暮らしのまま 子供た…

2

大欅 掌をそっと近づける 地を這って届け 外苑への応援

喋れないから 切っても血が出ないから だから大丈夫なんて 樹はそんなものじゃない 全部わ…

3

ファンデーション 畦道のようで いやだから 洗顔して笑う 鏡に娘

無理してお化粧すると、なんだか怖い感じのお顔になる 引き算のメイクアップというのは、これ…

2

街の風 揺れる欅や ビルの窓 友と笑いつつ 腹ごなしの坂道

悩んでいたことも どうしようと思っていたことも 人と話すだけで なぜか解決してしまったり…

6

庭の石段 転んだ様子に のぞき込めば 少し擦れた鼻 切なく犬を抱く

愛しの我が子 愛しの老犬 以前ならひとっ飛びだったこの石に 後ろ足が引っ掛かったんだね なおのこと 愛しいよ 今度から気をつけるね お家に入って消毒液つけよ