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命の雨(2022/5/22)
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近所の川の色彩が、キハナショウブ(黄花菖蒲)の鮮やかな黄から、様々な花菖蒲の原種であるノハナショウブ(野花菖蒲)の淡い紫にゆるやかに移り変わっています。
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道場稽古に行けなくなり2年。
心肺機能維持のために、ランニングペースのジョギング(どっちよ?)にちょこちょこ出掛けています。
走るのは舗装された道路ではなく、でこぼこの川原。
足場の良し悪しに関わらず身体を自由に使えるように、一歩ごと即座に体軸を調えなおす稽古を兼ねています。
湧水から成るこの川。
もう何年か前の話になるけど、冬から春先にかけての雨不足のせいで、完全に干上がってしまったことがありました。
枯れ果てる緑。
ひび割れた川底の土。
逃げ場なく打ち上げられ、累々と横たわる鯉やナマズやスッポン、小さな生き物たちの大量の死骸。
その死肉を啄むカラスの群れ。
腐臭。
あまりに絶望的な光景に目を背けたくなるけど、なぜか僕はそれを直視しなければならない気がして、変わり果てたこの川を毎日眺めに来ていました。
だからね、僕は雨、好きなんです。
雨が降ると安心する。
ああ、またこうして川に、川の生き物たちに、安寧をもたらしてくれる。
そう思うとね、雨の日は雨の日で
「ああ、よかったなあ」
って心から思えるんです。
一度枯れた川は少しずつまた雨水を湛え、少しずつ流れを作り、少しずつ生き物たちが戻ってきました。
あのときは本当に泣きました(笑)。
今年も命の水を有り難う。
そう想いながら、今日も朝の川原を走るのです。
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