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映画キングダム4「大将軍の帰還」の相関図

2024年7月12日に封切られた映画「キングダム」のシリーズ4、「大将軍の帰還」。すごい作品でしたね。これまでの1から3までのシリーズもそれぞれ見どころ満載でしたが、4はまさにそのシリーズ全体のクライマックスともいうべき作品で、公開されるや否や興行成績を次々と塗り替えています。

2023年9月に、シリーズ3までの相関図を作ってみたのですが、4を観て、これはすぐにアップデートしなければと思いました。シリーズ3の相関図は、キングダムの人物構成を整理するということで作ってみたのですが、今回の4は「馬陽(ばよう)の戦い」の中でも王騎(おうき)と龐煖(ほうけん)の二人の武将の対決が中心となります。

こちらがシリーズ3までの相関図に関する記事です。

まずお断りしておきますが、この記事の内容はネタバレになる情報が含まれていますので、それが嫌な方はこの先は読み進めないほうがよいかと思います。しかし、この作品は、たとえその結末を事前に知っていたとしても、その映画の魅力が損なわれることは決してないと思いますが。

この相関図作りにあたって、秦(しん)と趙(ちょう)という二つの国の対立と、王騎(おうき)と龐煖(ほうけん)の二人の武将の対立という構図を中心に据えてみました。

このシリーズ4の舞台は馬陽(ばよう)という戦場です。馬陽に趙が攻め込んできたので、それを防衛するための戦です。この戦いはシリーズ3の「運命の炎」から始まっているのですが、シリーズ4はこの戦いの後半戦を描くものになります。

9年前にもこの同じ馬陽で戦いがありました。秦には「六大将軍」という6人の大将軍がいて、王騎(おうき)はその一人でした。もう一人の六代将軍に摎(きょう)という女性の大将軍がいました。実は、秦の国王の昭王(しょうおう)の娘だったのですが、身を守るため王騎の家で召使いの子として育ちます。やがて大将軍となり、「城を100個落としたら王騎と結婚する」という夢を持ち、戦い続けるのですが、100個目の城となる馬陽で、龐煖(ほうけん)と戦い、殺されてしまうのです。

今回の馬陽は、摎(きょう)が龐煖(ほうけん)に殺された因縁の地なんですね。そして結婚を約束した摎(きょう)の命を奪った憎き相手の龐煖(ほうけん)が現れる。龐煖(ほうけん)にとっても、その時、完全勝利できなかった相手である王騎(おうき)は恨みの対象であるわけです。また趙は、かつて40万の捕虜が秦に生き埋めにされたことへの恨みを持っています。秦と趙、そして王騎と龐煖との対決は、このようなお互いへの怨念を背景として持っているのです。

左の半分は秦の軍勢です。王騎が総大将です。側には常に騰(とう)が副官として付いています。シリーズ1から3までは、彼はほとんど活躍していなかったのですが、実はすごく強いというのがシリーズ4で証明されます。

蒙武(もうぶ)の父親は六大将軍の一人の蒙驁(もうごう)。そして子供が蒙恬(もうてん)と蒙毅(もうき)。蒙恬(もうてん)は将軍になりますが、映画の中ではまだ出てきていません。蒙毅(もうき)は軍師を目指す若者として戦場を見守っていましたね。蒙武が使っている武器は、大錘(だいすい)というこん棒のようなものです。

信(しん)が百人将として、飛信隊の隊長となり、羌瘣(きょうかい)や、渕(えん)を副長として活躍をしますが、龐煖(ほうけん)と戦って負傷してしまいます。負傷した信を助けるのが尾平(びへい)と尾到(びとう)の兄弟。それぞれが村に恋人がいます。

キングダム4「大将軍の帰還」の秦の軍容

さて右半分は趙の軍勢です。龐煖(ほうけん)が三大天の一人であり、趙軍の総大将だったというのは映画の中でわかってきますが、総大将というよりも個人で戦うタイプですね。シリーズ3では、趙荘(ちょうそう)、万極(まんごく)、馮忌(ふうき)が登場し、馮忌(ふうき)が信に討ち取られてしまいます。

そこに突如登場してくる李牧(りぼく)の軍隊。もともと北部の雁門(がんもん)という地域を守っている部隊なのですが、これがまた強いんですね。映画の中で、楊端和(ようたんわ)が北部の匈奴(きょうど)の大群が趙の軍隊に打ち破られていた現場を見たと報告する箇所があります。匈奴を撃墜したのが李牧の軍勢だったのですね。李牧の軍勢にはカイネという副官と、魏加(ぎか)という弓の名手がついています。卑怯だとは知りつつも、龐煖(ほうけん)に死なれては困るので、一騎討ち中の王騎に矢を放つのが魏加です。この矢がなければ、王騎が勝っていたかもしれません。龐煖(ほうけん)は正々堂々とした勝負に水が差されたということで不満を感じて
いましたね。

キングダム4「大将軍の帰還」の趙の軍容

趙は、馬陽を諦め、撤退するのですが、この後の展開を予感される伏線がいくつも示されています。歴史的事実としては、いずれ秦が中華統一を成し遂げるのですが、趙は簡単には滅びません。信および飛信隊はさらに出世をしていくでしょう。楊端和(ようたんわ)の活躍も見たいし、蒙毅(もうき)や河了貂(かりょうてん)が軍師として実力を発揮するのも見てみたい。呂不韋(りょふい)の過去についてももっと描いてほしいこともあります。今後見たいストーリーは山ほどあります。

シリーズ4は「シリーズ最終章」と言われているのですが、物語としてはかなり途中です。企画サイドの気力と、資金力と、役者の体力の勝負です。さて、どこまで映画化できるのか、楽しみにして待ちたいと思います。

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