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遅筆になる理由

ひとつ、自信を持っていえることがある。
私は私の恋愛をかなりドラマチックに語れること。

「実は、10年片想いしてる人がいる」と2年付き合っている恋人持ちに言われたら続きが気になるでしょ?

そんな話がたくさんある。
全部繋がってるから、短編集でありながら連載になるんだろう。
書こうと思えばきっと書ける。
酒の場では喋るときもある、でもまだ書いてはいない。

なんとなく書きたくないの。
てか、書けないんだよね。
多分それはまだ終わってないから。
もしくは、終わったと思いたくないから。

私は、書くことが好きでありながら、書き尽くせないことにすごいストレスを感じる。
星をiPhoneのカメラで撮ると写らないように、繊細で複雑な感覚は表現できない。
なんなら、多分星を撮るより難しい。(写真家の方失礼しました)

言葉は人と人がコミュニケーションを取るために生まれた、ただの最大公約数でしかないからしょうがない。
どうしても全部をありのままに、そのままに伝えるなんてできない。
ましてや、文字だけで伝えるなんて最高難易度である。

そしてもう一つ書きたくない理由がある。
文字は記録のために生まれたもので、
流れていく今と忘れていく過去を、未来へ残すためにある。
それが例えありのままでないにしても、記憶より記録の方が信憑性があるが故にそれが"事実"になる。
だから書きたくない。

ここまでで、私が私の恋愛について書きたくない理由がわかっただろうか。

書いた途端、私の未熟な表現力により劣化させられ、しかもそれが事実となって将来の私が思い返す。
つまり、過去に感じたもの、そして今感じているこのなんとも言えない感情をそう簡単には劣化させたくないのです。

しかし、残念なことに人間はどんどん忘れていく生き物で。
書かないとやはり思い出も風化していくもので。
残るべくして残り、美化された思い出だけを持つのも全然悪いことじゃない。
でも、どうにか覚えておきたい、後から思い出したいという想いは私にもある。

だから、今味わっているこの気持ちを書き留めておきたい。でも嫌だ。
という葛藤で、私の筆は全く進まないのでしたとさ。

まあ、単純に、
知ってる人に読まれたらどうしようっていうのが本音だったりして、ね。笑

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