五大シャトー ~権利争奪編~ (2019.03.16)

玉川高島屋 開店50周年記念 第3回 ワインとマリアージュ」に参戦してきた。参戦と言うと物騒だが、普通のワイン愛好家にとっては、高級百貨店主催の優雅なワインイベントだ。

初めにイベントのWebサイトを見たとき、嘘だと思った。12名限定とは言え、ボルド―5大シャトーの飲み比べが5,000円で出来るなんて。エノマティックがあるショップやワインイベントでも少量から飲める所があるが、たいてい1シャトー 30mL前後で同じ位の値段がする。それが今回は5大シャトーそろい踏みでしかも50mLとは...何て太っ腹な!?

頗るオイシイ内容に半信半疑ながらも、高島屋が嘘をつく訳ない、念願のラトゥールを飲んでやる❢、と鼻息荒く参加を決めた。

二子玉川は学生の時以来だった。当時は自分達も含めバカ騒ぎをする学生が河川敷に集まっていたが、今のお洒落な街並みからは想像できない。都市部と自然が見事に融合し、ゆったりとした雰囲気に包まれている。私の他に気負っている人間などいそうになかった。

Webチラシには、高島屋の開店時間は10時、5大シャトーが飲めるバーは本館6階特設会場で11時30分開店とあったが、それ以上の情報は載っていなかった。私はこれまでの経験からきっと整理券の類が配られると思い、まず8時30分に高島屋に向かった。

本館、南館があり、それも上ではなく横に広い建物だったが、周囲をぐるっと確認したところ、開店待ちをしている人も、係員のような人も皆無だった。私は戦いが10時前から始まると悟り、一旦近くのスタバで待機することにした、実際戦いは昨日以前から始まっていたのだが...

15分前に店を出て改めて高島屋の本館に向かった。同じように周囲を一周し、複数ある入口にどれも1人か2人が開店待ちしているのを確認したが、列をなしている所はなかった。彼らが❝ライバル❞であることは否定できかなかった訳だが、何となく安心してしまった、案外楽勝かも、と。

自分で言うのも誠に残念だが、私にはかなり抜けたところがある。私を良く知る人間にはよく笑われる。愚かさに自分で気づける点が、唯一の救いに思えるくらいだ。

今回も楽勝と勘違いした上に、何を血迷ったかB1から入館する道を選んでしまった。トイレを探して地下に迷い込んだが、警備員が扉の前に待機しており、10時ぴったりに入館できるだろうと、安心してしまったのだ。

果たして時間通り扉が開いたが、地下食品売り場の広いこと❢エスカレーターを駆け上がるつもりでいたが、全然見つからず、始めに見つけたエレベーターで行くことにした(試合放棄に近い過ち...)。

エレベーターは行ったばかりのようで、待てど暮らせど来ず、漸く来ても各階で人の乗り降りがある始末(乗客の皆さんには何の罪もない...)。結局6階に着いたときには、既に5分以上が経過していた。

直ぐに件のバーを探したが、そこには既にライバルたちの列が。一瞬で敗北を悟り、生気を失った。しかし、私は未練がましくフラフラと遠巻きに列まで歩いて行った。傍らでは、係員が列の❝勝者❞に何やら説明を始めていた。

「やっぱりダメか...」

しかし、ここで(自分にとっては)奇跡が起きる。

最後の1名様がいらっしゃいました。」

「❢❢❢」

ワインの神は私を見捨ててはいなかった(T_T)。これ程までについていたことがかつてあっただろうか。私は渡された試飲チケットを握りしめ、勝利の瞬間を味わった。これが実際のチケットだ👇

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なお、私も一応理解している、このチケットのどこにそんな価値があるのか、世の中の多くの人が理解できないことを...


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