見出し画像

2020アメリカ大統領選挙 ブランドキャンペーンおさらい

いよいよ4年ぶりの衆議院総選挙!
幸か不幸か、新型コロナウイルス蔓延〜オリンピック強行による財政圧迫などなど、深刻な国政の綻びが顕になったこの2021年。自分を含め、選挙への参加が重要視されている、そんな空気をひしひしと感じる今日この頃です。
正直、日本の投票率の低さは異常。でももちろんその原因はさまざまで、そもそもきちんと教えない学校教育や報道しないメディアを始め、一個人の責任というよりはもっと根深い悪質な何か、を感じてみたり。

さておき、アメリカは大統領選挙の度に企業やブランドが投票を促すキャンペーンを行います。カンヌなんかで賞をもらっちゃう映像を駆使したクリエイティブやシンプルに深く突き刺さるメッセージラインを打ち出したキャンペーン、フィジカルなアクションを換気させるキャンペーンなどスマートな企画がたくさん。米マーケティングメディアサイトに当時の選挙キャンペーンがまとまっていたので、印象的なものをこの場を借りてご紹介!


Nike: ‘You Can't Stop Our Voice’

You don’t need to be a star to have a voice.
声を上げるのにスターである必要はない

「レブロン・ジェームズ、大坂なおみ、オデル・ベッカムJr.、スー・バード、ジャ・モラン、アジャー・ウィルソン、ティム・アンダーソンなどのアスリートたちをお手本として「スポーツは自己表現のプラットフォームである」というメッセージを発信。さらに交通ネットワーク企業のLyftと提携し、これまで投票所に行くのが難しかった地域での期日前投票や割引乗車券の利用を支援するとともに、ナイキワールド本社の裏庭を投票所として提供している。」

Nike広告がとってもお得意なワイデンアンドケネディと、Childish Gambino ”This is America"でグラミー賞も獲得したヒロムライが監督とな。個人的にはRegina Kingのナレーションのテンポの良さが最高でした。


Johnnie Walker: ‘You'll Never Walk Alone’

2016年の大統領選挙時(Trump vs Clinton) にウディ・ガスリーの “This land is your land”を英語とスペイン語でヴォイスオーバーすることでトランプの不法移民取り締まりのためのメキシコとアメリカの壁の強化と、国境沿いの分離壁の建設に対するアンチテーゼを唱えたジョニー・ウォーカー。

2020年は政治色が少し薄れたものの、クリエイティブは2016と同じAnomaly New Yorkが担当。グラミー4冠を誇るアラバマ・シェイクスのヴォーカル、ブリタニー・ハワードが1945年ブロードウェイミュージカル「回転木馬 Carousel」からリメイクした"You'll never walk alone". 。ブリタニーの力強い歌声が胸を打ちますね。


RepresentUs: ‘Naked Ballot’

これはものすごく良い選挙キャンペーンサンプルです。セレブが裸になって訴えるのは、メールで投票する際の注意喚起。2020年はパンデミック真っ只中で多くのメール投票が予想されたため、NPO "representUs"が行ったキャンペーン。ペンシルバニア州では内封筒と外封筒があって内封筒に投票用紙を入れて、内封筒を外封筒に入れて郵送するんだけど、どちらかが不在だったり間違った封筒に入ったりしていると「Naked Ballot 裸の投票」と呼ばれてせっかく投票してもカウントされない。説明書をよく読んで、正しく投票しましょうという注意喚起なんだけど、まぁセレブが素っ裸っていうインパクトの強さよ。さすがアメリカですよね。


The Economist: Word Play

画像1

英新聞社エコノミストが展開したデジタルマーケティング施策、Wordplay「言葉遊び」。"The Economist"に含まれるカンガルー語を使ったビジュアルベースのキャンペーンで大統領選挙に関する報道の質の高さを表現していて、新しいターゲット層を選挙を通して購読へ導いた、そうです。個人的にはワードベースのキャンペーン萌。


以上、選挙キャンペーンおさらいでした。
ついでですが、アメリカは選挙権をめぐって市民運動や闘争などが行われてきた長〜い歴史に関して学校でめっちゃ学びます。テストに出るやつ。その時その時でムーヴメントがあったりカルチャーが生まれたり。人権と並んで、アメリカの歴史を語るには外せない「選挙権」。日本では学校で教えませんよね。実際私、あんまり知らないです。日本の選挙権に関して。
臭い物に蓋をするの、そろそろやめましょか。ね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?