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スタンドアップコメディ愛 #02 Ali Wong

とにかく笑える。何度観ても爆笑する。そして憧れる。

いわゆる日本的「女性像」をぶち壊す、彼女の女性性(言葉おかしいか)は昨今のジェンダー論みたいなものすらぶち壊す。Housewifeたちを勝者と呼び、STDにかかったことのない人を負犬と呼ぶ。ハーバード卒の旦那を墜としたが莫大な学生ローンを肩代わりしたエピソードなんて最高。

人種ネタはスタンドアップコメディでは鉄板。特に移民系コメディアンは、ネタの9割くらいが「あるある」。同調と共感で引っ張る。同じくLGBTコメディアンはジェンダーネタが9割。Ali Wongももちろん人種ネタやジェンダーネタが多いんだけど、彼女独特のパースペクティブがあって、それがいわゆる人種を超えてる。「私はチャイニーズ系で旦那はジャパニーズ系、家ではメキシカンの悪口で盛り上がる」なんていうあるあるだけど他の人種でも「あるある」だから、彼女の笑いは観客を選ばない。そして自分を「アジア系白人」的立ち位置で語るから、白人をこき下ろした自虐ネタも豊富。

アリ・ウォンのネタの凄さは正しいとか間違ってるとか白とか黒とか男とか女とか、どっちがどっちでも全く関係なく面白いところだと思う。下品な下ネタも、アジア人ディスりも、いわゆるフェミニズム的なものを間接的にこき下ろすのも、彼女がその全てをリスペクトする当事者であるが故に、心底笑うことができる。

どんなことを話してもやっぱり最後は愛とリスペクトで終わらせようとする私もしょうもないけど笑。


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