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ひさびさの太陽

我が家の引きこもり息子の眼鏡が壊れ、久しぶりの外出。

場所は近くのショッピングセンター内の眼鏡店。

とにかく、とにかく息子が家の中から外に出ること。

お日様に当てて歩かせること。

そんなことばかり考えて、マスクを準備した。

息子には、

「眼鏡は合わさないと修理できないから、服も着替えて10時過ぎには行くよー。」

と伝えた。

息子は部屋でゲーム画面を見つめたまま、ひと言。

「分かった。」

洗濯を済ませていると、上の子が起きてきた。

私:「眼鏡、壊れてね。レンズは無事だから良かったけど。はぁ、幾らかかるかな。」

娘:「高いん?」

私:「出費は痛いけど、外に出るチャンスにはなるねー。」

娘:「いちいち高くつく男だね〜(笑)」


さて、10時になり、息子に声掛け。

「ちょっと待って。」

…20分経過。また声を掛けてみる。

「めんどくさいなーもう!」

文句を言いながらも、目が見えづらいのだろう。

服を着替えている。

(ヤッター!)

かなりサイズも小さくなったサンダルを靴箱から引っ張り出し、マスクを付けながら息子は外に出た。

中学入学式の翌週から家に居たから、約1ヶ月ぶり。

ひさびさの太陽の光。

ひさびさに並んで歩くと、驚くほど背が伸びていた。

もうほとんど目線が変わらなくなったなぁ。

そんなことを感じながら、ショッピングセンターへ。

なんと、眼鏡店はコロナウィルス影響で、お休みだった。。。

テナント、まだ再開ではなかったんだ。

よくよく考えたら、分かることだったが、私も冷静な状況ではなかったみたい。

息子は、テナントが真っ暗で入ることが出来ないよう仕切りがしてあるフロアを見て驚いていた。

世間の状態が分かったか?

「テナントじゃないお店なら開いてるから、自転車で行ってみようか?」

この勢いで行けるかな、と話してみた。

「自転車?マジ?絶対行かない。帰る。」

自転車でも10分程度の場所なのだが、やはり息子には目が見えづらいよりも苦になるようだ。

「色々見えづらくて、疲れるでしょ。ゲームも見えんだろうし。近いじゃん、行こう!」

少し私も意地になっていた。

5分くらい家に入る前に、自転車置き場で押し問答。

息子は「うるさいんだよ、お前は!自分の目のことは自分で決める!」と言いながら半泣きで、

自転車の鍵を排水溝へ捨て、家の中に入っていった。

あー、またやってしまったな。


続く。




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