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『海辺の光景』安岡章太郎

安岡章太郎は、戦後に活躍した「第三の新人」の作家の一人です。
村上春樹さんも日本文学の中で「第三の新人」の作品を好んでおり、アメリカの大学で授業を持った際にこれらの作品を扱っており、詳しくは『若い読者のための短編小説案内』で説明されています。


「第三の新人」の中でも、安岡章太郎の文体を村上さんはかなり絶賛されています。僕も実際に『海辺の光景』を読んでみましたが、非常に読みやすい小説でした。

『海辺の光景』の本には、本作の他に6つの短編小説も含まれています。
『海辺の光景』のあらすじは、高知の病院で療養していた母が危篤状態となり、主人公の信太郎が父と見舞いにいくというものです。信太郎が母を目の前に、戦後の貧乏な生活や母の精神がおかしくなるまでの状況など過去を振り返りながら、話が進んでいきます。

安岡章太郎自身が経験した病や戦後の生活が、小説を通してなんとなく感じられます。安岡章太郎を含めて「第三の新人」の作品は、日本が敗戦した直後に起きた目まぐるしい状態に直面したというのがすごく大きいんだろうと思います。



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