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リリコン初体験その7・アッテネーターを使ってみた

 Lonely Streetという曲を演奏するにあたりビブラートの表情を出すのにリップセンサーでフィルターの開閉をさせたくて、behringerのセミモジュラーシンセをアッテネーターとして利用するに至ったというお話。

 先月のSammy Nestico氏の訃報に接し、あらためて考えてみると社会人ビッグバンドを長く演ってる僕がステージで演奏した回数が最も多い楽譜はSammy Nestico氏の作編曲のものだなあと思いまして。残念ながら直接お姿を見る機会はついになかったのですが楽譜を通じて沢山の楽しみと喜びをいただいたことに深く感謝いたします。

 Nesticoさんの曲は以前もアンサンブルの楽譜が気に入ってWX5で演奏したことがありますが今回あらためて感謝の意味を込め、現在よしめめ氏よりお借りしているリリコンで1曲演奏してみました。Lonely Street (by Sammy Nestico) 

かなりアマチュアビッグバンドでアルトサックスで吹いたことはあるのでアーティキュレーションはその時とだいたい似てしまいます。サックスの再現はできないけどリリコンなりの良さの片鱗が表現できるよう自分なりにがんばりました。

以下いろいろ設定的なこと。
 これまでリリコンでyoutubeにアップしたものは、フィルターの開閉はブレスでコントールするだけだったのですが、今回ビブラート表現の効果をもっと出したいのでリップでもフィルター開閉させたいなあと思って、具体的にはダウンベンドのときに少し閉まる(=音がこもる)ようにしつつ、これまで通り息でもフィルター開閉させたい。
 SEMのフィルターのMOD INはひとつしかないので、Lyricon DriverのLip1とwind1の出力をBELKINの簡易ミキサー(これ、本来ヘッドホンスプリッターですがスプリットだけでなく逆にミキサーにもなる)

で混ぜて出力すればいけるかな?と思ったのですが、混ざるは混ざるのですがLip1の出力はMODがプラス側だと、ダウンベンドでフィルターが開いてしまい、希望と逆の挙動。MODをマイナス側にすれば希望通りの挙動になるのですがこれだと、ブレス(息)を吹き込むとフィルターが閉まってしまい、希望通りにならず。
 そこで年末に衝動買いしてしまったbheringerのNeutronをひっぱり出してきまして、

もちろん音源として使いたくて買ったのですが、これ、セミモジュラーシンセなのでCV信号のマージとか反転とかアッテネートとかできるので、なんだか贅沢というか無駄に大がかりというかなのですが、アッテネーターとしてのみNeutronを使用するという手に出まして、

 リリコンのLip1をNeutronのATT IN(アッテネーター)に入れてその出力を、反転させるためのINVERT INに入れ、その出力をマージ用の入力(SUM1(A))に入れる。
 一方、リリコンのwind1をマージ用のSUM1(B)に入れ、SUM1(A)と(B)の入力が合計されて出るSUM1 OUTからSEMのVCF EXTMOD INに入れるという、ああややこしい。 Neutron側はこんな感じ。

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あとはATTENUATOR 1のツマミと、SEM側のFREQとMODのツマミの位置を音を出しながら調整してちょうど良い位置にもってくると、やっとブレスでフィルター開閉+ベンドダウンで適度にフィルター閉、ができました。やりたいことは単純なのに設定はややこしい。

音色のほうはあれこれ迷ったのですが結局PW35%くらいのパルス波とSaw波を1:1で混ぜる感じにしてみました。動画で最初に流れる(take 1)がその音色です。あとついでに、take2にはVCO1個だけのSAW波、take3にはVCO1個だけでPW35%のパルス波、の合計3バージョンで録音してみました。
 あらためて聴き返して見ると、思ったより音色の差は感じないかもですが細かいところの印象は違ってくるかもです。SEMは1VCO SAW波が最も好きなワタシですが最近PULSEも良いなあと思い始めている今日この頃。

 このリリコン話、リリコンでNeutronを鳴らす話(鳴りましたよ!)も含めまだいくつかネタがあるのですが順次のんびりとりかかっていきまーす。
 なお、このnoteの他に、facebookのほうでは短文のつぶやきっぽいものも更新しておりますのでフォローなどしていただければとても嬉しいです。https://www.facebook.com/mkirino01

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余談:
このLonely Street収録のアルバム"Basie Straight Ahead"は全曲Sammy Nestico氏作曲なのですがThe Queen Beeという曲も以前WX5でひとり5重奏したのをアップしております。

あとこのアルバム自体は、ビッグバンド演奏入門者にはバイブルだけどビッグバンド演奏に興味の無い人はまず誰も知らないというアルバムですが興味のある方は是非。


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