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HKT48、次の10年も期待できそうな件 〜疾走したGW,爆誕した王道夏曲,萌芽したのは輝く未来〜

このnoteは頻度こそ少ないものの、大きな動きがあれば確実に更新している自信がある。

さて・・・今年のゴールデンウィークは、近年類を見ない感情と魂を突き動かされる激動の日々となった。

というのも察しの通り、昨秋のHKT48が開催した10周年記念公演にて、3年ぶりの全国ツアー開催と6期生オーディションの実施が発表されたわけであるが…ツアー開催発表の時点で、全会場の全公演に入ることを目標にこれからの日々を生きることを誓った。

そして始まってしまった全通プロジェクト

今回は、4月上旬から幕を開けたHKT48全国ツアーの現時点での所感と、5/7の熊本公演で巻き起こった2つの出来事を軸に、この春のHKTを振り返っていこう。それでは…

毎公演必ず満ちる多幸感

見どころ多し、溢れる感動と興奮

4月8日@横須賀から始まり、4月10日@渋谷、5月1日@名古屋、5月7日@熊本と、それぞれ昼夜計8公演を見てきたが、毎回HKT48はとても素敵な時間を提供してくれた。

横須賀の昼公演、ツアーの開幕戦。座席こそ毎回ガチャであるため仕方ないのだが、初めて目の当たりにしたHKT48のライブ(厳密には2021年夏のリクアワを観ている)。内容はコンサートとしてこれ程満足することはない、という具合だった。ちょうどその1週間ほど前に横浜でとある催し物に行ってきたこともあり、極めて肯定的な感情が溢れてやまなかったのが正直なところである。

今回のツアーを回すにあたり、2つの幹となる感情が渦巻いた。

1つは、コロナ禍という未曽有の沈鬱した時代の中で、ただ只管にボルテージの上がる幸福感だ。伝統的にHKTはライブステージの満足度に定評があるのだが、中でも恒例となっているのが、「メロンジュース」「スキ!スキ!スキップ!」「12秒」といったシングルから「ぶっ倒れるまで」「ウインクは3回」「初恋バタフライ」といった往年の名曲を矢継ぎ早にパフォーマンスするメドレーのコーナーである。余計なことは考えずに脳死でペンラを振り回し、ステージと客席が一体となって盛り上がり、楽しめる。あの時間はそういう時間だと思う。コロナ禍の世界線で無ければ声帯を潰すこと間違いない。でも心の中で精一杯の歓声を送っているつもりだし、それはメンバーにも届いていると信じている。

もう1つは、生歌パフォーマンスへの恍惚と陶酔だ。HKTのツアーは過去を振り返ってみると、大喜利や寸劇といったバラエティ色の強い内容が特徴的であったが、コロナ禍の世界線で開幕したツアーはそれとは一味も二味も違っていた。2020年に実施された「HKT48 THE LIVE」以降、歌唱力を軸としたパフォーマンスの質向上をグループ全体の活動指針としているのか、今回のツアーではメンバーの生歌に触れる時間がプログラムの中心になっているように思える。

例示すれば、「74億分の1の君へ」をピアノ生演奏のもと歌唱したり、最新アルバム「アウトスタンディング」の収録曲「全然変わらない」を歌い上げたり、48G以外のアイドルではないアーティストの楽曲をパフォーマンスするチャレンジコーナーが設けられている。このチャレンジコーナーでは、Mrs. GREEN APPLE feat.井上苑子「点描の唄」、菅田将暉「虹」、あいみょん「ハルノヒ」、緑黄色社会「Mela!」、Saucy Dog「シンデレラボーイ」、ヨルシカ「春泥棒」、ヤバいTシャツ屋さん「かわE」、和田アキ子「YONA YONA DANCE」の8曲から毎公演3曲が披露され、出演メンバーは毎回異なる。

ここまで8公演で印象的だったチャレンジコーナーの楽曲には「点描の唄」を挙げたい。横須賀夜では坂本愛玲菜と地頭江音々による歌唱で、初見補正もあってか人生で初めて人の歌を聴いて勝手に涙が出てきたし、渋谷昼は矢吹奈子と外薗葉月の同期2人による歌唱で、奈子は流石といったところ、そこに葉月が低音でハモる流れは圧巻だった。名古屋夜では坂口理子と石橋颯の「最年長・最年少コンビ(当時)」による歌唱で、先の2回と比べたら正直劣りはしたのだがそれでも親子歌唱(笑)は見ていて微笑ましいし、颯の歌声には成長の余地を大いに感じるところである。

※追記•••大阪公演では秋吉優花と豊永阿紀の両歌唱力強者による披露であったが、言わずもがな。

個人的に沸いたポイント

アルバム「アウトスタンディング」を引っ提げたツアーであるため、オリジナル収録曲が全てセトリに含まれている。

リード曲「突然Do Love Me!」はオープニングとアンコールのラストで必ずやるし、「SNS WORLD」「HAKATA吸血鬼」「全然変わらない」では石橋颯・地頭江音々・豊永阿紀がセンターとしての存在感をそれぞれ違った形で遺憾なく発揮している(後述)あたり、非常にポイントが高い。

「2018年の橋」は2017年の1stアルバム「092」に収録されたオリジナル曲で、当時の歌唱メンバーは兒玉遥、指原莉乃、田島芽瑠、朝長美桜、宮脇咲良の5名である。

この楽曲、今回のツアーでは全て矢吹奈子のソロ歌唱となっているが、先の田島の卒業によってオリメンがいなくなったこの曲を今回のツアーで奈子1人で歌唱する意味は大きく、HKTとしての休止期間を共に戦った宮脇は海外へ渡った中で、今後も仲間と共にHKT48を背負って立つ意気を感じられた。(ちなみに、続く流れで田中美久センターの「Get you!」を披露している点も同じような理由でエモいので推していきたい。)

今回のツアーでは、舞台上に設置されたLEDの画面を上手く利用した映像など、演出への強いこだわりが見える。思いつく限り列挙してみよう。

  • 大半の楽曲でメンバーのリップシーンがある

  • 「2018年の橋」で過去のツアー名場面を切り取った画像を出している

  • 「3-2」などで登場する歌詞の一部を表示するギミック(特に3-2の映像は往年のニコ動クラスタ垂涎)

本編のラストで「大人列車」を観客総立ちで手拍子を促す演出のもとパフォーマンスするのだが、これもコロナ禍の世界線で声出しができないことを考慮されている。会場が一体となり「ファンと共に」コンサートを作り上げているのだ。

LED画面にはツアーに向けたレッスンの一場面を切り取ったり、5月の公演では4月の公演から切り取った場面を映像に取り入れるなど、終始映像に凝った演出となっているところも注目して欲しい。

ツアーを開催しなかった3年間で、個人のスキルが成長した点も重要なポイントである。特に先述のアルバム曲パートでは、3人のセンターが各々の成長の形を見せてくれた。

オリジナルのセンターは田島芽瑠であった「SNS WORLD」のセンターを務めたのは、前回のツアーでは加入間もなかった5期の石橋颯だ。つまるところ、かわいい。それはそれはかわいい。典型的にかわいい。かわいい言い過ぎだな。

でもって、「HAKATA吸血鬼」

この楽曲、アルバムのリリース時点では「コミカルソングに分類されるのか?」と思っていたが、実際は全くそんなことは無くガチガチのダンス曲である。

アルバム曲の中では異質とも言える吸血鬼のセンターを張るのは4期の地頭江音々だ。前回のツアーでは影を潜めていた感のある地頭江だが、熟成を経て、ダンススキルがバキバキに成長し垢抜けにも成功した踊れる22歳の日向美人に化けていた。間違いなく本人の積み重ねの賜物である。

そして「全然変わらない」のセンター(リードボーカル?)を務めたのが地頭江と同期の豊永阿紀だ。アビスパ福岡のサポーターとしても名高い豊永だが、彼女がマイクを持てばそこはスタジアム。もう歌唱力オバケ、抜きん出ている感ある。

この3名だけではない。HKT48という集団の層は実に分厚くて頭が下がる。今回のツアーでは確実に加入期の若いメンバーが成長しており台頭著しいことが強く示されている。

まずは5期の竹本くるみだ。ダンスユニット「Lit Charm」にも加入している竹本だが、元来ドルオタであり1期やなこみくを外から見ていた立場である。憧れを抱いたグループに加入し地位を確立しつつある竹本、小さい体から解き放たれる鮮烈なパフォーマンスは劇場公演でも存在感を日々発揮している。

次に、横須賀と渋谷を体調不良で休演した田中美久の穴を見事に埋めた2人を紹介したい。4期の堺萌香とD3(ドラフト3期)の渡部愛加里だ。堺は「あっけない粉雪」で、渡部は「Get you!」でそれぞれ田中休演の緊急事態を救った形になるが、2名とも自分の役割を果たし、ナイスアピールだったと思う。渡部に関しては田中の代役である感を全く感じさせない程センターポジにフィットしていて1つの形になっていたし、堺は逆にオリメンの4人を邪魔せず「代役」をしっかり務め上げた感がある。両名に最大限の賛辞を贈りたい。ただ田中復帰後の「あっけない粉雪」は眼福オブザイヤー。

48Gの横の繋がりが薄くなったが、今回のツアーでは他店との共演が見られるのも面白い。横須賀ではNGT、渋谷ではAKB、名古屋ではSKEがゲスト出演し会場を盛り上げた。NGTは藤崎未夢・安藤千伽奈・佐藤海里が登場し渡部・石安伊・馬場彩華とのD3共演を果たし、小越春花は市村愛里との「48G二代村長会談」が実現した。ゲストとの絡みMCではこの横須賀が一番面白かったと思う。渋谷では矢吹奈子が韓国で苦楽を共にした本田仁美との共演を果たせたことも互いの刺激になったと思うし、賛否はあれどゲストコーナーは今回のツアーではあって損しない時間だとは思う。(※名古屋ではとかく谷真理佳を迎える会場の空気感が温かかったことだけ添えておく。)

ここまでツアーの感想を述べてきたが、6月10日にはグランキューブ大阪での公演が控える。個人的に期待したいのは更なる追加公演の発表で、STUのみゲストコーナーから省かれるのも寂しく、ここまで来たら全グループ呼んで欲しいところだ。また本拠地福岡での開催も待望で、オーラスに6期生含めたメンバー全員出演を、多少日程が空いても実現させてもらいたい。

※追記•••大阪公演では昼にNMB、夜にSTUから瀬戸内PR部隊が登場した。また、7月23日にファイナルとなる福岡公演の開催が発表され、HKT48全メンバーが出演。ゲストはなし。

話をツアーのセトリから少し移すと、熊本公演ではHKT48にとって尊くも大きな2つの出来事があったわけで・・・

お久しぶりです、王道アイドル夏ソングちゃん

名古屋でリリースされた15thシングルの発売。その選抜メンバーとタイトルが熊本で解禁となり、さらには初披露にまで至った。

選抜メンバーは以下の通り。

石橋颯、市村愛里、今村麻莉愛、運上弘菜、小田彩加、堺萌香、武田智加、竹本くるみ、田中美久、地頭江音々、豊永阿紀、松岡菜摘、松岡はな、本村碧唯、矢吹奈子(センター)、渡部愛加里

http://www.hkt48.jp/news/2022/05/8013  より

タイトルは「ビーサンはなぜなくなるのか?」とこれまた印象的で憶え易い。

14th「君とどこかへ行きたい」では、キャリアの長さで「つばめ選抜」「みずほ選抜」の2つに分けて各々で歌唱したが、今回はアルバムの選抜を経て、新たに編成された16名によるものとなっている。ここからは人事面についても掘り下げてみよう。

小さな偉人の背中は大きく見えた

昨年、韓国での活動期間を経て2年半ぶりにHKT48へ復帰した矢吹奈子が、アルバム「アウトスタンディング」に続き単独でセンターを務める。「早送りカレンダー」では田中美久と共に「なこみく」のWセンターがあったのは未だ記憶に新しいオタクもいそうだが、今回は初の矢吹が単独でセンターに立つのだ。海を渡り吸収した良い物を、これからもHKT48に還元してくれることだろう。

評価の在り方は1つじゃない

今回の選抜メンバーを概観していこう。グループ創設期から柱となっていた田島芽瑠が卒業した直後のシングルで、唯一2期のみが入っていない。これが何を意味するのか。

2期といえば、今年サンミュージックに移籍した坂口理子渕上舞はバラエティ適性が高いし、秋吉優花神志那結衣は音楽・演技といった一芸の道に乗っている感がある。この現役2期生4名は選抜メンバーにいる/いない、は関係なく個の力がある面子ばかりで、そこに期待が置かれているのではないだろうか?

HKT48は組織としての一体感に加え、個人技が映える「達者な集団」としても光り輝けるグループだと思うから、「個の力」をブラッシュアップさせていこうという運営のマネジメントにおける意図が見える。そういう意味で、今後の2期生各々がどんな歩みを辿るのかはかなり注視していきたいし、2期生の表題曲選抜復帰にも期待したい。

黄金世代と新しい風

次に触れておきたいのが、D2(ドラフト2期)の今村・4期の堺と小田・そして初選抜となった5期の市村の4名である。熊本で4名の名前が示し出された時間の会場の雰囲気たるや。

HKT48の歴代シングルでは「バグっていいじゃん」のみ人事面で異彩を放っていた感があり、当時の1,2期やなこみくを外し若いメンバーを軸とした選抜に大きくシフトチェンジしたが、それ以来となるのが今村麻莉愛だ。彼女はほぼ全ての劇場公演を回せるスキルの持ち主で、昨今は「毎回麻莉愛いるくね?」と思うほど公演の鬼、シアターの女神である。48Gはライブアイドルであり、その原点にして生業である劇場公演を蔑ろにしてはならない。もっとも加入段階で12歳ということもあり、育成完了した今からがまさに真骨頂といったところだろう。

堺萌香小田彩加の両名が属する4期生は、運上弘菜を筆頭に地頭江音々、豊永阿紀、武田智加らタレントが揃っている。まさに現在進行形でグループの屋台骨を担っている世代だ。

市村愛里は、石橋・竹本らに後れを取りながらも今年1月に研究生から昇格を果たした5期生の1人である。個人的に思うことだが、研究生からの昇格に要する期間としては3年というのは長いように感じた。研究生か正規かというのはメンバー自身の活動におけるモチベーションを大きく左右する。ただ劇場公演を回すことにもコロナ禍は足枷となり、それがどれほど昇格のタイミングに波及したかは運営のみぞ知るところであるが・・・

兎にも角にも、市村は昇格以降急速に頭角を現した。彼女はSHOWROOMでの毎日配信と劇場公演によって培ったMCスキルと強固なファンコミュニティを武器に、表題曲の選抜メンバーを勝ち取った。「HKT5期生史」を紐解くと、2018年秋に全14名がお披露目され、2019年春の「意志」で水上凜巳花が、2020年春の「3-2」で上島楓がそれぞれ研究生での選抜入りを果たしたという事実がまずある。この時期から徐々に新風が吹き始めていたのだ。コロナ禍の世界線では、2021年春の「君とどこかへ行きたい」では水上と上島に加え、昇格したての石橋・竹本が選抜入り。着実に5期生のは大きくなっているように思われた。そんな中で、上島・水上の両名が2021年末~22年初頭に卒業。短いキャリアの中で数多くの経験を重ねた有望株の卒業は、グループに重すぎる衝撃を与えた。

しかしそれでも5期生の波は消えゆくことは無い。新たな10年を紡ぐため6期生の募集がリリースされたのは昨秋の10周年記念公演のことで、SHOWROOMには焦りと不安で泣き出す市村の姿があった。それから5か月後、熊本城ホールのステージには選抜メンバーとして輝く市村の姿があった・・・このスピード出世は、3年間の下積みがあったからこそ成し得たのかもしれない。

今回の表題曲は16人という狭き門。ただしHKT48というのは、選抜/非選抜の垣根を越えてお互いがリスペクトし合える集団だと思っている。「自分の置かれた場所で咲く」という意識をグループ全体として徹底すれば、期待できる実りがあるのではないだろうか。

求めていたものがそこにはあった

ビーサンはなぜなくなるのか?」というタイトルの通り、今回の楽曲は夏を感じさせるものとなっている。まず注目したいのが、ピアノイントロから始まり明るいオープニングの旋律という、古き良き48Gの夏ソングに必ずと言っていいほど含まれている要素だ。初披露で耳にした時の感触はまさに「さよならクロール」「ラブラドール・レトリバー」のそれであり、熊本昼では終始感動を隠し切れずにいた。奈子のソロパートから歌い出し、曲が終わるまで降り注ぐ爽やかさと一抹の切なさがたまらない。やすし、素敵なサマーチューンをありがとう。熊本夜公演で披露した映像がHKT48公式YouTubeにアップされているので、とにかく一見して欲しい。(運営ぐう有能で草)

眩しすぎる18個の未来

さて、もう1つの大きな出来事が6期生18名のお披露目である。今回のツアーでは、各会場でスペシャルゲストとして48Gから1組出演してパフォーマンスを行うが、熊本ではゲストの出演は告知されておらず、ゲストコーナーに当たる時間で6期生のお披露目とパフォーマンスが行われたという訳だ。「HKT48」・自己紹介MCを挟んで「アイドルの王者」を披露し、会場は大いに盛り上がった。6期生は10歳から21歳まで実に幅広い年齢層で、平均14.3歳とグループ全体が一気に若返りを見せたことになるが、自己紹介の時間では年齢の若さやキャッチフレーズ披露の初々しさにメンバー,オタク共々興奮や動揺が止まらないといった様子であった(筆者しかり)

HKT48が次の10年も戦っていくためには必要不可欠な18名。熊本で目の当たりにしたその若さはとても眩しかった。彼女たちが彩るこれからのHKTに最大限の期待を込めて、心からの賛辞を送りたい。

総括

依然として人類を脅かすコロナウイルス。その世界線に加え、グループ創設期から柱となっていたメンバーが相次いで卒業しながらも、なこみくなっぴを中心とした中堅・若手中心の新たなフェーズへと移行しつつあるHKT48。6期生も加入し、好評なツアー、魅力ある夏シングルとトピックには枚挙に暇がないほどホットなグループだ。その動向にはこれからも目が離せないし、日々懸命にアイドルとしてのキャリアを全うしようとするメンバー達には頭が上がらない。

アイドルは、HKT48は、最強で最高だ。


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