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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_5「インターミッションA」

こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。
急に夏めいてきましたね。 今週は雨模様ですが、雨が上がって晴れた頃には畑の雑草が……それはもう生き生きと成長していることでしょう。野菜畑の草むしりをするたび、(私は虫の食料と逞しい生命体を無慈悲に排除し、己が食べる野菜のみを生かしつづけているんだな)という気持ちになります。生きている、それ自体が無数の命を踏みつけた勝利の証なのです。
ネオサイタマの逞しさ……それは、生きる力。

前回の感想はこちら

前回更新分はこちら(再読感想他)

【前提】望月のニンジャスレイヤー知識

・書籍第一部を3巻まで(中断)
 →6年経過(ほとんど内容を忘れる)
 →『スズメバチの黄色』読了
 →AoMシーズン1読了(→第3部野球回実況再放送)
 →AoMシーズン2読了
 →AoMシーズン3読了
 →PLUS加入+AoMシーズン4(今ここ)

・今はシーズン4をTwitter連載で読みながら、PLUSエピソードとトリロジーを追っています。

◇◇◇

今回のエピソードはこちら(togetterまとめ)。

note版はこちら

シーズン4:「インターミッションA」

ソウカイ・シックスゲイツを底知れぬ力で抑えこみ追いつめた蠅女・ベルゼブブ。しかし突如乱入したニンジャスレイヤーは、彼女を恐るべきカラテで爆発四散させるのだった。ソウカイヤの与り知らぬトラブルを抱えているらしい。ガーランドは警戒し、事情を聞きだそうとするが。

「ベルゼブブと貴様の間に何があった」「……」「ビルでは妙なものが見えたぞ」「……」

ぜんぜん質問に答えてくれないよ!! 爆笑。

MAX警戒で毛並みを逆立て後ずさる猫みたいな対応ですが、以前ガーランドさんがやらかしたこと(※)を思い返すと無理もないんですよね。(※ 満員電車回でズタボロになったところに声を掛け、そのまま監禁)


◇S1-Ep10のマスラダ監禁事件おさらい◇

 記憶が逆流する。そうだ。ニンジャスレイヤーはタマ・リバーに落ち、屋形船に這い上がって力尽き……彼を見下ろしていたのが……

そこから麻袋を被せて流れるように監禁。

「暇なのか? おれはお前に何の用もない」ニンジャスレイヤーは言った。ガーランドは身をかがめ、ニンジャスレイヤーを見据えた。そして言った。
(略)
 ニンジャスレイヤーは唸りを殺し、呼吸を深めた。ガーランドは彼の顎をグイと上向け、呼吸を妨げた。

顎クイ。

「では、今この俺が目の前にするこのニンジャは何者だ? という事になる。貴様は俺の知る男ではなかった」ガーランドは目を細めた。その目に渦巻く複雑な感情をニンジャスレイヤーは見て取った。

先代への巨大感情をぶつける(とばっちり)。

笹の葉の微かな芳香とソイの旨味の匂いが否応なしにニンジャスレイヤーの鼻腔を刺激した。いわばニンジャ嗅覚のうらみか。たちまち極度の消耗状態にある彼は己の胃が空っぽであることを認識させられた!「どうした。ほしいのか?」「少しも」

ネチネチスシ苛め。

「俺は貴様を解体したい」ガーランドは真顔で頷いた。

ヤバい欲望を開示。

これはしょうがないな! ガーランドさんの自業自得! 解散!!

こんなことされてたらまあね、死闘の直後に現れたガーランドさんなんてそんな……マスラダくんが無礼なのを差し引いても……警戒はしちゃうよな……って思いました。ガーランドさん普段は優秀なエージェントなのに、マスラダくんにだけ常に悪手打っちゃうところ好き。


長いマフラー布が翻り、赤黒の火を爆ぜさせて、目をくらませた。

この一文カッコイイ~~~~! 好きです!!

「クソが」って吐き捨てちゃうガーランドさん興奮しました。めずらしい。

◇◇

戦を観戦する狩人組。

図らずも仲良しっぽい絵づくり(内実は違いますが)になっていて和みます。あまり空気読めずにべらべら喋っちゃうサロウさん可愛いけどヒヤヒヤします。イラつきポイントをためすぎて内輪で消されかけたりしない? 大丈夫? 心配。

「シャン・ロアはともかく、ケイムショはこれを以て敗北が確定した。このあと僕が勝つことにより、ロンドンの所有権はカタナ・オブ・リバプールのものとなる。儀式の規定に従えば、そういう話になります」

マークスリーちゃん、ケイムショさんを煽る煽る。楽しいね!

……ん-、しかし、このあとにロンドン・コーリングのラストスレイトが更新されて思ったんですけど、これこそが、実際に強大なリアルニンジャの陣地を奪いつつ市民の被害を最小限にする最善の方法なのかもしれないんですね。

「あなたはネオワラキアで戦うブラド・ニンジャを見ましたね、フジキド。彼をネオワラキアの〈夜〉の下で殺すことは、不可能に近かったはず。それとほぼ同義なのです。すでにこの都市が、この地が、ケイムショそのものと化している……フーリンカザンとは、突き詰めればそのようなもの」

リアルニンジャの領土で真正面から戦えば、都市そのものが滅びてしまう。じゃあ、都市を滅ぼさずにリアルニンジャから土地を明け渡してもらう方法はないのでしょうか。

やはり、契約で縛るといいんじゃないでしょうか。

すなわち儀式を挑んで、規定に従い勝利し、敗北者から陣地を奪う。民話でも昔ばなしでもそうです。強大な伝説的存在とは、「ルール」で縛られ敗北する生き物でもあるのです。

三度以内に名前を当てられたら負ける。負ければ、契約は破棄される。妖精は子どもを返し、婚約を破棄し、鬼は命を奪うことを諦めなければなりません。

悪い魔女のかけた眠りの魔法それ自体は解けない。けれど、別の魔女が目覚めのルールを追加することで、100年経って王子が訪れれば、どんな強力な魔女のそれでも、ルールの通り魔法は解けるようになりました。

薔薇の花びらが落ちるまでに「真の愛」を得れば、城の魔法も解ける……

とにかく、どんなに試練が難しくとも、達成すれば問答無用で超自然側が負けます。古の世界には、そういう法則があります。

強大な超自然存在で在ればあるほど、己の定めたルールには従わねばならない。タイクーンが、正々堂々決闘を申し込んできたニンジャスレイヤーを拒絶できなかったのと同じように。この混沌の時代を生き抜く活路は、そこにあるのではないでしょうか。

そして、古代の生き物を姉弟子に持ち、「どんな頭のおかしい難題でも愚直に取り組みクリアして、勝利を勝ち取る」メンタルを持っているリアルニンジャ(=リアルニンジャへ対等な挑戦権を持つ)……いるじゃん? って、思うんですよね……。

まあぜんぶ幻覚なんですけど!!!

それはそうと、今回のルール違反をケイトーさんがニヤニヤ見逃したの、あとの戦いで自分も軽微(※軽微ではない)ルール違反をして見逃してもらう布石にする気だなって思いました。

◇◇

ところでシナリイさんとフィルギアさんはなんで事あるごとに逢引きをしているんですか? 戸惑うんですけど……。急に神社デートを見せつけられる読者の気持ちにもなってくれよ……

「ならば、また競いますか」シナリイはけぶるような目でフィルギアを見た。フィルギアは今度は怯まなかった。

こわいよ!!!!

古き良き私たちの時代にあなたたちは何をなさっていたんですか。勝ったら何を得られたんですかねえ……あっ唇に寄せたモミジを受け取れる権利とかですか?

何故オリガミなのか。何故あのようなものが生じたのか。私にもそれはわからぬ。そしておそらく、セトの狙いでもない筈

え、セトさんの計算外なんですか。じゃあなんなの……怖くなってきました。マスラダくんの「作品」が、彼の愛する故郷を災いに巻き込む触媒になっちゃったりしたら……マスラダくんのアーティストとしての道が……うわあああぁやだやだ! そんなわけない! すぐ悪い方に考えるのは悪い癖だよ!!

「貴方を案じているのですよ」
「そりゃ有り難い事だ。昔のよしみかい」「理解しがたき事だが、貴方はニンジャスレイヤーに入れ込んでいるようだ。それゆえの忠告です。(略)」

激重ブラックホールなやり取りすぎて、重力に押し潰されて読んでも読んでも記憶が消える。怖い。

◇◇

さて、そろそろ第3話も始まる頃でしょうか。次の狩人は誰になるのか、ピザタキの作戦会議の風景は見られるのか……とっても楽しみです。

ではでは、また次回の感想か更新でお会いいたしましょう!


おまけ/手書き感想ログ

いつものおまけです。


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次の感想はこちら。


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