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夜明け頃の撮影のススメ

みなさま、いつも見て頂いてありがとうございます。
以前はスナップ写真を撮ることが多かったのですが、ここ数年は、太陽、月、海が絡む風景を早朝か夕暮れに撮影しています。

時間帯が変われば、家の近所でも知らない光景があります。
特に早朝は、いろいろな発見があります。

最近は、何かと行動制限がありますが、時間帯を変えるだけで撮影のモチベーションがあがります。

さて、今回は、「夜明け頃の撮影」について紹介します。

「五老の景」の写真は、京都府舞鶴の五老ヶ岳山頂から撮影したものです。
五老ヶ岳は、東舞鶴の街と、西舞鶴の街の間にあり、車で15~20分で行ける観光地です。
近畿百景第1位に選ばれたこともあり、舞鶴湾を一望できる絶景の場所です。朝焼け、夕焼けの時間帯はさらに感動的で、寒暖差の大きい秋や春の早朝には雲海が望める場所です。



【なぜ、夜明けなのか】

結論:私が夜明けの空気感が好きだから(笑)

風景写真は、朝、夕に撮影する割合が多くなります。
立体感を出しやすいし、なんといっても色味が日中とは違って、幻想的に撮れます。
横からの日差しで写真を撮ると、光の具合で上手くなった気分になれます。
あくまでも気分で、本当に上手くなったわけではありません(笑)

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日が沈むと日差しが無くなり、赤く焼けていた空から色が消えていきます。
空の赤味が消え、地平線が深い赤になる頃、青い世界になります。
だいたい、日没の30分後です。
日没の1時間後には、西の空が微かに明かりが残る程度で、辺りは真っ暗になります。
ああ、今日も良かったと思うと同時に、ちょっと寂しい気持ちになります。

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夕暮れと反対の気持ちになれるのが日の出です。
シーンとした夜明け前の空気感。
少し明るくなり、徐々に空が色づき、日が昇る。
地平線から差し込む朝の光を浴びると、とても得した気分になります。
毎日お日様が昇っているのに、元旦だけしか見ないなんて勿体ないと思います。

早起きはツライですが、それ以上に感動があります。
特に雲海が出た朝は最高です(^^)

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【朝何時から撮り始めるのがいいのか】

結論:日の出の1時間前から(主観)

できるだけギリギリまで寝ていたい。
いいタイミングで撮影場所に着きたい。

いいタイミングって???
日の出前の状態を過去投稿から抜粋しました。

「未明の雲海 星空と雲海」は、日の出時間から約1時間前の光景です。
航海薄明(太陽高度-6度~-12度)と呼ばれる時間帯です。
東の空が明るくなっていますが、星が見えます。
山頂では、月が出てないと足元が暗くて見えません。
この時間帯は、フクロウの声が聞こえます。


「未明の雲海 日の出30分前」は、タイトルどおり30分前です。
市民薄明(太陽高度-1度~-6度)と呼ばれる時間帯です。
鹿の鳴き声や、目を覚ましたカラスの鳴き始めます。
ほとんどの星は見えなくなりますが、一番星(明けの明星)は見えます。
薄暗いですが、足元は見えます。


日の出10分前ぐらいから、空の雲が焼けます。
春は、うぐいすの「ホーホケキョ」を聴きながらの撮影になります。
高度の高い雲は早い時間に、高度の低い雲になるほど日の出直前に焼けます。
舞鶴は山から日が出ますので、日の出時間+約10分後にお日様が表れます。

このように、日の出前の1時間は、分単位で光景は変わっていきます。
(時間とともに動物や、鳥の鳴き声もいろいろ聞こえてきます)

私は、ブルーモーメントの世界が好きなので、日の出の1時間前から撮影をしています。

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【閑休話題:太陽って速い】

太陽は、1分間に0.25度を動いていますので、空の色の変化はもちろん、顔を出した太陽は、思っていた以上に速く昇っていきます。
太陽の視直径は、約0.26度ですので、1分後に太陽一つ分上昇しています。
日の出の瞬間を撮ろうとすると、太陽が顔と出してから、地平線(水平線)を離れるまで約1分です。
モタモタしていると、折角の早起きが水の泡になります。


【撮影機材】

結論:ブレない三脚と雲台選びがポイント

私が撮影に使う機材は次のとおりです。

カメラ: Canon EOS-R5
レンズ(標準ズーム): Canon EF 24-105mm F4L IS USM
レンズ(望遠ズーム): Canon EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM
レンズ(広角ズーム): Canon EF 16-35mm F2.8L Ⅱ USM
EXtender: Canon EF 2× Ⅲ
レリーズ: Canon TC-80N3
三脚:GITZO 4542LS
雲台:HUSKY 3Dヘッド(KIRK Model)
フィルター:ND8、ND16、ハーフND8(ソフト)、ハーフND8(ハード)

カメラは、半年前にEOS-R5に更新しましたが、それ以前は、EOS-7D(APS-C)を使っていました。
EOS-M3(APS-C)でも撮影しますが、それで十分と感じます。

日の出の太陽を大きく写そうとすると、超望遠が必要になります。
EF 100-400mmに、Extender 2×で800mmとして使っています。
APS-Cだと、1.6倍(Canonの場合)になりますので、1280mm相当になります。
EOS-R5は、1.6倍クロップできますが、EOS-M3のほうが画素数面では有利です。

重要なのは、三脚です。
長時間露光してもブレない三脚が必須です。
GITZOにたどり着くまでに、GITZOがいくつか買えるぐらい沢山三脚を変えました(汗)
GITZOは高いですが、頑張って買う価値があります。
4型というチョット大型のものを7年使っています。
多少の風ならストーンバックいらずで重宝しています。

雲台もいくつか持っていますが、使用頻度の多いものはHUSKYです。
アルカスイス互換のKIRKモデルです。
カメラがしっかり止まるところが重要です。

ブレない機材は、取れ高が飛躍的に良くなります(^^)

【撮影方法】

結論:夜景撮影と同じです。

夜景撮影と基本的に変わりませんが、刻々と明るくなっていくので、露出は注意が必要です。日の出1時間前は、ISO800~1200 F8 30秒程度の明るさです。街灯などの光がないと、EOS-R5でもオートフォーカスでピントが合いません。田舎は暗いのです(笑)

撮影時のモードは、絞り優先モード(Av)で露出補正するか、マニュアルモード(M)になります。
1枚撮るごとに、必ず露出調整が必要です。
絞り優先モード(Av)でも、先に明るくなる空が白飛びします。
ちなみに私は、マニュアルモード(M)で撮影しています。

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街灯などの点の灯りがある場合、F8以上に絞り込むと、灯りが放射線状の光芒になります。
EF 100-400mmにExtender 2×で撮影するときは、F16以上に絞ってます。
そのほうが綺麗な写真になるためです。これは、レンズの特性でしょう。
レンズによって癖があるでしょうから、試行錯誤が必要です。

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ISO感度は、極力上げないほうが、ノイズの面からいいのですが、ブレないことの方が重要です。必要であれば、ISO感度を上げています。

シャッターを切る時は、レリーズ、タイマーまたはリモコンを使って、カメラに触れないようにするのは基本中の基本です。
忘れてはいけないのが、取説に書いてあるとおり、三脚で撮影の時は、「手振れ補正はOFF」とすること。手振れ補正ONのままだと、長時間露光の場合はブレたりします。
撮影現場で時々やる失敗です。

ホワイトバランスですが、夜明け前に「太陽光」で撮影すると青味がかなり強くなります。Canonの場合、ホワイトバランスはオートで、おおむね問題ないように思います。
ホワイトバランスは、K(ケルビン)で指定するのがイイと思いますが、刻々と変化するので、RAW撮影して、あとで整えるほうがシャッターチャンスを逃さないと思います。

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【日の出の撮影】

結論:NDフィルター&ライブビューで撮影

朝日は赤い...いえ、そうとは限りません。
朝日といえども、直視すると目を傷めるほど強烈な時があります。

特に一眼レフ(OVF)は注意が必要です。
ライブビューで撮影が基本です。

ミラーレスの場合は、直接太陽を見ていないので問題ありません。
ミラーレスは、太陽を撮るために最適化されたカメラと思ってます。
太陽に向けてもEVFなので眩しくありませんし、露出もEVFで確認、調整できます。

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朝日といえども高度が上がってくると、特に望遠では、SS4000、F22、ISO100でも露出オーバーになるので、ND(減光)フィルターが必要になります。
ND8(3段分減光)かND16(4段分減光)は準備しておいた方がいいでしょう。日中の太陽は、ND1000以上が必要になります。

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【あとは天気次第】

結論:とにかく、撮影に行け!

晴れ予報でも、雲が空一面を覆っていることもあります。
早起きして、ガックリ、損したー!って思いますが、とりあえず撮影現場に行くことを勧めます。
思ったような写真が撮れなくて当然ですが、サプライズもあります。

曇り予報なのに、朝日が見られるってことも(^^)


曇りでも、ブルーモーメントってあります。
曇りは、曇りで味わい深いものです。


雲の隙間から少しだけ朝日が差すだけでも面白い写真が撮れます。

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【現地の状況はライブカメラで確認】

最近は、各所にライブカメラが設置されています。
観光地や道路の交通状況や河川監視用のカメラもネットで見ることができます。
ライブカメラで撮影場所の状況を確認してから出かけるのも良い方法です。

五老ヶ岳の山頂には2台のライブカメラがあり、北側を向いているCAM1と、南側を向いているCAM3があります。
春先や秋口には、家に居ながら雲海が見られます(^^)



【まとめ】

1.早起きして、日の出の1時間前(朝日だけ撮る場合は、30分前)に撮影現場に着きましょう。

2.しっかりとした三脚でブレを防止しましょう。

3.天気がどうであれ、撮影現場に行くまでわかりません。写運があればなんとかなります(^^)


最後まで読んでいただき、ありがとうございました

<Neoうんちくオジサン>




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