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写真集10

いつも見ていただいて、ありがとうございます。

今年の夏は、去年に増して酷暑ですね。
35度以上が当たり前になると、30度が涼しく感じられるのは、異状以外なにものでもありません。
台風も連続で到来し、天才日本、いえ、天災日本の名に恥じない状況です。
一刻も早く秋が到来することを切に願いながら、最近手に入れた写真集の紹介です。


「泉の森」 福田健太郎

1冊目は、福田健太郎氏の 「泉の森」 です。
森泉は美女ですが、泉の森は美しい自然の写真集です。

7月に、竹内敏信・生誕80周年 記念展「日本人の原風景を求めて」をキャノン品川で見てきたきたのですが、竹内敏信氏の弟子たちの写真も展示されていました。
弟子のひとり、福田健太郎氏の作品の色使いが気に入って、「泉の森」を手に入れました。
竹内敏信・生誕80周年 記念展に展示してあった福田氏の作品は、ヌケが良い色でしたが、泉の森は、大人しめのトーンの写真です。
不思議なのは、大人しめのトーンであるにも関わらず、色がキレイに出ているところです。
この発色を会得したいものです。


「余韻」 辰野 清

2冊目は、辰野 清氏の 「余韻」 です。
余韻の見どころは、モノクロ風のカラー写真でしょうか。
アンダーでコントラスト低めなので、色はモノトーンに近いものです。
さらに、被写体の選び方が、モノクロ写真を撮るような感じです。
作品をじっと見ていると、色が滲みだしてくるような感覚になります。
あ、余韻ってこれのことかな。
味わい深い作品です。


「色×旬  IRO TO TOKI」 萩原史郎

3冊目は、荻原史郎氏の 「色×旬 IRO TO TOKI」 です。
作品は、SMSなどで見るような発色ですが、コントラスト控えめでケバくありません。
ときどき差し込まれている、コントラストがある写真。
変化があるので、飽きずに鑑賞できます。さすがと思うところです。
枝のクローズアップした作品が多めなのですが、煩雑にならずに纏まっているので、勉強になります。 


「WINTER JEWELS」 高橋真澄

4冊目は、高橋真澄氏の 「WINTER JEWELS」 です。
タイトルどおり、キラキラです。
虹色の氷、彩雲、ダイヤモンドダストと、冬の光で溢れてます。
コントラストは強め、発色もよく、風景なのにコマーシャル写真のような雰囲気の作品です。
虹色の氷の作品が多数あります。氷を虹色に撮ったことがあるのですが、条件をそろえるのが大変です。うろこ状や水滴状の氷が綺麗な虹色になっていて、大変だったろうなと思いながら見てました。
女性に見せたら、「まあ、キレイ」って間違いなく言うでしょう。
そんな作品です。



「138億光年 宇宙の旅」 NASA

5冊目は、NASAが撮影、渡部潤一氏が監修した 「138億光年 宇宙の旅」 です。
お盆に呉に行った時、入船山記念館を観光した時、ふと見ると呉市美術館で138億光年 宇宙の旅展をしていたので観てきました。
NASAが撮影した写真が展示されていたのですが、太陽の写真をみた瞬間、売店で写真集を買って帰ろうと思いました。
太陽観測衛星SDOが30.4nmの波長で撮影した太陽のフレアが感動的なほど美しい。
その他にも波長を変えて撮影された写真が幾つかありました。
昔見た太陽の写真は、黒点とコロナのアーチ程度なので、技術の進歩は凄いですね。
眩しい太陽がこんなに美しいとは思いませんでした。

いつも見ている月にも驚きがありました。
木星探査衛星ガリレオが月の傍を通過する時に撮られた月の写真は緑色の部分があるのです。月は白と黒ってイメージがあったのですが、植物もないのに緑は想像もしてませんでした。
ジュノー探査機が撮影した木星の渦、カッシーニ探査機が撮影した土星の環、ニューホライズンズ探査機が撮影した冥王星の色。
そして、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した馬頭星雲が立体的に見えるほどの解像度に感動しました。
写真集が悪いわけではないですが、写真集で見返していると、やっぱり大型パネルで見るほうが何倍もイイですね。


さいごに

今回は、風景、ネイチャー系の写真集を中心に紹介しました。
視点や撮り方で作品は大きく変わるものだと思いました。
フイルム時代のような作品は見ていて味わい深いのですが、SMSの影響もあり、コントラストや彩度が強めのコマーシャル写真のような感じの作品が多くなってきたと感じます。
「138億光年 宇宙の旅」の写真は、コントラストが強く、彩度も高く、可視光線以外で撮影されたこともあり、バリバリ加工もされていますが、感動的な美しさがあります。
写真には撮る人の気持ちが入っていると言われますが、探査機が撮影した写真は感情がこもっていないはずなのに、私の心を揺さぶるものがありました。
写真は、見る人の心を揺さぶるものがあれば、作品になるのだと思いました。

最後まで、見ていただき、ありがとうございました。


雲のアンサンブル

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