見えない光を撮る 赤外線写真 カラー編
いつも見ていただき、ありがとうございます。
前回、赤外線写真を紹介させて頂いたところ、「今日の注目記事」に取り上げて頂いたようで、「スキ」がいつもより多く、嬉しく思ってます。
さて、今回は、赤外線カラー写真です。
赤外線カットフィルターを除去の改造をしたカメラは既に持っていますが、モノクロ用です。
カラー(といってもフォルスカラー(偽色))は初挑戦です。
機材準備
赤外線でカラーを楽しむには、可視光に近い赤外線フィルター(IRフィルター)が必要になります。
IRフィルターには、透過する波長によって、いくつかの種類があります。
580nmと720nmのどちらにするかが悩みどころです。
720nmのほうが、スノー効果(葉っぱが白く写る)がでるのですが、可視光の一部も透過する580nmも捨てがたい...
悩んだ挙句、準備したのは、720nmの赤外線フィルターです。
皆さんからサポートして頂いた資金で購入しました(^^)
撮影に活かしていただきます。
ありがとうございましたm(_ _)m
幾つかのメーカーから販売されてますが、KANI製にしました。
角型フィルターは他社のを使っていましたが、いまではKANI製に全て置き換わりました。そんな訳で、KANI製だったらハズレは無いだろうというチョイスです。
IRフィルターは真っ黒です。
肉眼では向こうが見えません。
普通の可視光写真と、赤外線写真のどちらも撮影したいので、クイックリングも手に入れました。
クイックリングはネジのところにウレタンのようなものが貼ってあり、脱着はフィルターつけたクイックリングをレンズに押し込むだけです。
たまにポロリと外れるので、命綱(!?)付きですwww
落下してフィルターが割れるのは悲劇ですから。
カメラストラップ辺りに命綱を着けたいところですが、標準でついているフックが小さすぎて使い物になりません。
小さなナスカンを追加しました。
いざ、撮影へ!
カメラには映像素子のところに赤外線カットフィルターが付いているので、ほとんど赤外線を通さないため撮影は長時間露光になります。
長時間露光は、三脚が必須です。
南風が強かったので、風にも負けぬ(ブレない)丈夫な三脚を使用しました。
天気は晴れ。空には白い雲がいくつも浮かんでいました。
時々太陽が薄雲に入ることはありましたが、赤外線写真日和です(^^)
撮影は、海辺、五老ヶ岳山頂、金剛院で試写しました。
カメラの設定
ピント合わせは、ミラーレスカメラ(EOS-R5)なので、問題なくオートフォーカスできました。
記録は、RAWです。
撮影モードは、マニュアル露出。
赤外線撮影は、EOS-R5の場合、通常(可視光)と比べ、10~12段暗くなりました。
可視光は、絞り:11、ISO:400、シャッター速度:1/400~1/800 に対し、
IR720は、絞り:11、ISO:400、シャッター速度:2.0~3.2秒 でした。
赤外線のカラー写真は、撮影後にフォルスカラー(偽色)処理するので、露出は明るめがいいのか、暗めがいいのかがわかりません。
とりあえず、カメラが出す適正露出から、-3、-2、-2、0、+1、+2、+3で撮影してみました。
分かってはいましたが、プレビューがどれも真っ赤です。
プレビューを見て違和感があったのですが、後で判明することになります。
露出を変えて6枚 + 見比べるために通常(可視光)を撮影しました。
トータル800枚ぐらいです。撮りすぎだw
現像
Photoshop+CameraRAWを使用しました。
手順は煩雑ですが、難しくありません。
(1)色かぶりを修整する
(2)色を変更(フォルスカラー)する
(3)色かぶりの再調整
(4)各色の色相、彩度、輝度を調整する(芸術的才能に左右されるところ)
(1)はCameraRAWで行います。
(2)以降は、Photoshopでの作業です。
(1)で色かぶりが取りきれませんでした。
(2)のフォルスカラー処理で問題がでました。
空、海が黒くなく、山や植物が黒くてスノー効果が全くといってもいいほどありません。
赤系、青系で程度はあれど分離できるはずですが、RGBで処理する方法、Labで処理してもダメで、赤外線写真らしい絵になりませんでした。
撮影時の違和感はこれだった
撮影時にプレビューを見て違和感があったのですが、山(植物)の明るさが空、海とさほど変わらないところです。
普通(可視光)の写真と、IR720で撮った赤外線写真をモノクロ化して比べてみました。
赤外線写真(IR720)のほうが、空、海ともに濃くなっていますが、山(植物)は見た目で大きく異なるところがありません。
(赤外線写真(IR720)は、シャッター速度が遅いため、海面が滑らかになっています。)
まるで赤外線が弱いような写りです。
いい天気で、ほぼ順光(太陽は右斜め後ろ)ですから、条件としては悪くないはずです。
もしかして、赤外線カットフィルターじゃね?
デジカメの映像素子のところに、赤外線カットフィルターが入っています。
カメラの機種によって赤外線カットの性能が違います。
赤外線写真が上手く撮れなかった原因として EOS-R5の赤外線カットフィルターの性能が良いことが考えられます。
何事も検証です!
TVのリモコンの赤外線LEDの点滅がどう見えるか試してみました。
暗い箱の中で、TVリモコンを操作して撮影しました。
撮影条件をなるべく同じにしました。
シャッター速度:1/10
絞り:5.8
ISO感度:1600
焦点距離:EOS-R5 24mm
EOS-M3 32mm(35mm換算)
PowerShot SX210 IS(改造機) 28mm(35mm換算)
まずは、EOS-R5から。
一応光っているのが見えます。ピントが合わない・・・
次に、EOS-M3
ちょっと古めのAPS-Cのミラーレスカメラです。
これもピントが合いませんが、EOS-R5より明るいです。
赤外線カットフィルターを取り外した改造機 PowerShot SX210 IS
ビカビカに見みえます!
眩しいぐらいw
やはり、EOS-R5の赤外線カットフィルターの性能が良いため、赤外線がカットされていたようです。
リモコンの赤外線LEDの光が見えるので、赤外線写真もいけるだろうと思っていたのですが、EOS-M3に比べて明らかに赤外線の透過率が悪いです。
次は、EOS-M3でチャレンジです。
おっと、その前に、52mm→77mmのステップアップリングを手に入れなきゃ、IRフィルターが使えないではないかw
カメラの機種によって赤外線写真の向き不向きがある
ネットで調べた時に、カメラ機種によって赤外線写真が撮れないことがあるのは分かっていました。
EOS-1Dxなどの高級機は、赤外線写真が撮れない情報はありました。
EOS-R5は情報が無かったので試してみたのですが、ダメなほうですね。
赤外線写真に向いているカメラは古い機種(ニコンやペンタックス)が多く、また、映像素子がCCDのほうが良いとかありますが、赤外線カットフィルターの性能が今ひとつなのでしょう。
そう考えると、最近のカメラは撮影が難しくなっていると思われます。
赤外線カットフィルターを取り外してしまえばどんな機種でも赤外線写真が撮れるようになりますが、通常の写真を撮ろうとすると色がおかしくなりますので、どうしてもハードルが高くなります。
古くて二束三文のカメラのほうが赤外線写真に適しているかもしれませんから、物は考え様ですw
最後に
EOS-R5はうまく行きません出したが、次はEOS-M3で試します。
雨が止んで、いい天気にならないかなぁ。
あ、ステップアップリングを注文しないと。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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