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内科チーフレジデントになるメリット

結論から述べると
①競争率の高いsubspecialtyを希望する人(Cardiology, GI, PCCM, H/O)
②卒後年数が若い人
③将来教育やリーダーシップポジションに興味がある人
は内科チーフレジデントになることを考慮すべきです。

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チーフレジデントは3年間の内科レジデンシーを終えた後の1年間を指導医として内科チームを率いたり、レジデントの教育に携わったり、スケジューリング等の管理業務を行うポジションです。私のいるプログラムのような100人を超える内科プログラムだとチーフレジデントは5人いて、レジデンシー2年目の冬に応募した人から選ばれます。総合的に ”良い人” が選ばれるので、競争率は高いです(全員から好かれているのはもちろんのこと、教育者としての素質があるか、In-training examで良い点を取っているのか、レジデンシー中にリーダーシップ業務に携わっているかなど、総合的にバランスが良い人が選ばれます)。

チーフになるメリット

教育者としてのレベルは間違いなく上がります。チーフレジデントをしていたという経歴も将来リーダーシップのポジションに付く際にアピールできるポイントになります。

フェローシップにアプライする際にも非常に有利で、チーフレジデントというだけでインタビューに呼ばれる数は増え、マッチ率は上がります。以前の記事でも述べたように、チーフレジデント=そのプログラムの中で良い人、という共通理解があるので、IMGであればチーフレジデントのみをインタビューに呼ぶというプログラムもあります。ビザ持ち、特にH1Bの人はフェローシッププログラムの選択肢に限りがあるので、チーフレジデントをすることで良いプログラムへのマッチを狙うことができます。

チーフになる際の注意点

1年間をチーフレジデントとして過ごすようになるため、ビザの有効年数には気をつけておく必要があります。特にAdvanced fellowship含め長いトレーニングが必要になりそうなJ1ビザ持ちの人は(例えば3年内科、1年チーフレジデント、3年General cardiology、2年インタベ+SHD)トレーニングを全て終えることができないかもしれません(裏道はありそうですが、事前に詳しく調べておく必要があります)。

他の注意点としては、チーフレジデントをするプログラムに尽くさないといけないという点でしょうか。プログラムが好きなのであれば問題ありませんが、私のように内科レジデンシーがただの通過点と考えている人にとってはプログラムのために働くというのは結構大変です。実際、私はチーフレジデントになって欲しいと強く言われたのですが、今いるプログラムを改善させようという気がサラサラなかったのと、チーフレジデントにならなくてもTier 1のプログラムに入り込むチャンスはあると予想したのでチーフレジデントのポジションは断りました(結果その判断は正しかったので良かったですが、一応色々な先生に相談した上でチーフにならないという結論を出しました)。
指導医になるのが1年遅れるので給料がその分減ることにも留意が必要でしょう。

Conclusion

大きなプログラムでチーフとして選ばれるのは決して簡単なことではありません。レジデンシーに入ったその日から「常にデキる人」である必要があり、初期から「チーフレジデントになりたい」と伝えて自分を有利に持っていったり、機会がある度にリーダーシップポジションに就いたりする人が私のプログラムには多いです(希望者は超初期から戦略的に自分をアピールしている)。1年間余分にトレーニングが長くなる一方で、自分の将来の目的によってはその後の人生を大きく変える大切な1年になる可能性も十分あります。レジデンシーに入った方には一度は検討して頂きたいポジションです。

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