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人気アニメの『オンライン展覧会』がTwitterで大反響! 2021年はアニメ×ブロックチェーンのAniqueが来る!

2019年に設立されたAniqueは、日本が誇るコンテンツであるアニメやマンガ、ゲームに対してブロックチェーン技術を用いることでデジタルアートに昇華させ、従来のファンに新たな価値を創造、提供しています。取り扱っている作品は、『進撃の巨人』『五等分の花嫁』『けものフレンズ』『家庭教師ヒットマンREBORN!』など大人気作品を中心に15タイトル以上。DX化が進むコンテンツ業界に軽やかに一石を投じた、そんな印象すら与えるAniqueのビジネスについて代表取締役の中村太一氏にお話を伺いました。

アート×ブロックチェーンのサービスをローンチ!

——Aniqueが提供しているサービスは、革新的ですよね!

中村:日本のアニメやマンガ、ゲームは宝の山です。
にも関わらず、原画や絵コンテをはじめとした中間制作物の多くはそのままの形だと活用しにくく、アーカイブされている状況でした。
それは文字通り“眠っている資産”だと思っていて。Aniqueはブロックチェーンをはじめとした技術と企画力で、そんな“眠っているアート資産”を「デジタルアート」として取り扱っています。

——どのように提供しているのですか?

中村:デジタルアート(データ)をブロックチェーンで管理をしています。データの保有だけではなく、作品のファンが喜ぶ特典とセットにして提供することを意識しています。例えば、『五等分の花嫁』をローンチした時は、証明書にデジタルアートの保有者のお名前と原作者の先生のお名前を一緒に載せました。また、結婚式のチャペルを貸し切ってリアルな巨大絵を展示し、デジタルアートの保有者だけが参列できる機会を提供、結婚式をテーマにした特別なアイテムを別注文できる権利を付与しました。
世界に一点しか存在しないデジタルアートを取り扱う場合は、購入したデジタルアートを、Aniqueを通して売却できて、売却益の一部をクリエイターさん、コンテンツホルダーに還元できる新しい取り組みにもトライしています。

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——Twitterで大反響だった!オンライン展覧会について教えてください

中村:昨年末にリリースした『家庭教師ヒットマンREBORN!』のオンライン展覧会がTwitterのトレンド入りするなど、大きな反響がありました。
新型コロナの影響でリアルな展覧会ができないというtoBのニーズから企画しました。でも、ファンの方に「オンライン展覧会に参加したいですか?」と聞くと、一様に「うーん」と考え込んでしまう。作品の鑑賞体験としては、リアルな展覧会の方がいいに決まっています。
僕たちはその想いを否定するつもりはありません。だからこそ、リアルの展覧会をオンラインにそのままの形で置き換えるということはしないのです。

——リアルの展覧会をオンラインに置き換えることはしないとは?

中村:今、考えているアイデアは、例えば、キャラクターを演じた声優さんと一緒に回れるオンライン展覧会。アートを見ながら、声優さんが耳元で解説してくれたら嬉しいですよね。他にも、リアルな展覧会ではひとつのアートの前にいられるのは長くても20秒。でも、オンラインなら時間の制限なくずっとアートを見ていられる。そういうファンの方々の希望とか潜在的な不満を拾っていければ、オンラインでの新しい展覧会体験は作れるなと思います。こんな風に、毎日、社内で企画やアイデアをずっと考えています。

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10万冊読むほどのマンガ好き!が高じて

——どうしてこのビジネスにたどり着いたのでしょうか?

中村:もともとマンガがとても好きで、10万冊ぐらい読んでいました。大学卒業後に博報堂DYメディアパートナーズに入社し、色々な部署を体験したのですが、行き着いたのはコンテンツが好きということでした。
当時は『進撃の巨人』(講談社)の人気が出始めて、アニメ化が決まった頃。縁あってそのプロジェクトを参画しました。『進撃の巨人』は高さ50m超の巨人なので、プロジェクションマッピングを使って実物大の巨人を出現させたら面白いんじゃないかと。他にも『リアル脱出ゲーム』の株式会社SCRAPと組ませてもらい、世界中に『進撃の巨人』のコンテンツを展開しようと提案しました。それがコンテンツホルダー側からすると新鮮に映ったようです。
その経験や、独立してエンタメ方向でフリープロデューサー、ディレクターという形で仕事をしていた期間に「もったいないな」と思うことがいくつかありました。そのうちのひとつが版権素材や中間制作物をコンテンツホルダーにとっても、ファンにとっても、もっと活用できるチャンスがあるのではないかということです。
僕たちは、クリエイターさんやコンテンツホルダーとファンの架け橋として、新しいコンテンツビジネスの領域を作っていきたいと思っています。

世界でAniqueだけ!?版権ビジネスとブロックチェーンの接点

——Aniqueのアイデア「データとブロックチェーン」はどこで結びついたのでしょうか

中村:例えば、ライセンサーとライセンシー企業が利用する版権データベースを作るのはビジネスになるかもしれないというアイデアは、フリーの頃からありました。ただ、僕がそれを始めたところでコンテンツホルダー側に大きなメリットがないと成立しないだろうなと考えていたのです。
そういう課題感を感じていた時に、ブロックチェーンが流行り始めて。日本だと「ブロックチェーン=暗号通貨」というイメージが強いかもしれません。でもどういう仕組みなのか聞いて回ったところ、ブロックチェーンというのは分散型台帳で、AさんからBさんに通貨やデータが移転したという事実を改竄されにくい形にしているものなのだと理解しました。ブロックチェーン技術はすごく面白いし、通貨だけではなくエンタメにも使えるのではないかと。
これをゲームのキャラクターで使ったのが、カナダ発祥の『CryptoKitties(クリプトキティ)』です。世界で1匹だけのオリジナルの猫のキャラクターを生成して、それを売買できる。もともと無限にデジタルコピーできるデジタル上の素材に価値を持たせるのは難しいと考えていたのですが、ブロックチェーンの技術を使えば、眠っている版権物に価値をつけることができるかもしれない。

——次のアクションは?

中村:『クリプトキティ』を作った会社の創業者の一人が来日すると聞きつけて、Facebookで本人に連絡をとりました。「話を聞かせてよ」と。
そもそも僕は一次情報を信用しています。他者を挟んだニュースや又聞きは絶対に情報がブレる。当事者が何を考えているのか、どういう狙いなのかを確認しないと気持ちが悪いという意識があって、まずは本人に会いに行きました。
そこで聞いたことが面白かった。「世界で1匹の猫と言ってもいずれ飽きられる。僕らはこの猫を、ゲームやエンタメの世界に出していこうと思っている。そうすると僕たちの猫の価値が高まる」というような話で、腑に落ちる部分が多々ありました。着想したアニメやマンガ、ゲームの版権物と組み合わせるということもできそうだし、ニーズがありそうだなと。
僕が今までやってきた版権物のビジネスのやりとりを考えても、こういう提案の仕方なら納得してもらえそうだと感じました。そこで『進撃の巨人』の発表済みのアートワークをこの仕組みでやらせてほしいと提案し、OKをもらって実現したのがAniqueの発端ですね。

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ファンの声を、直接聞くこと


——デジタルアートとして販売されたものは、クリエイターやコンテンツホルダーは使用できないのですか?

中村:いえ、使用できます。クリエイターさんもコンテンツホルダーも、今後も商品化したいし画集もあれば展示会もあるから、権利自体にロックがかかるのは避けたい。そうすると、デジタルアートの持ち主は権利を独占できなくて嫌なんじゃないかと思いますよね。でも実は真逆で、自分が持っているアートは、どんどん世に出てほしいのです。

——そういうユーザーニーズはどこから?

中村:全部わかっているかのように偉そうに語っていますけれど、ヒアリングしています。先日もAniqueのユーザー6人にそれぞれ1時間ずつ、1対1でお話を聞きました。
「なんで買ってくれたのですか?」、「普段なにをしていますか?」、「最近の見えない不満ってなんですか?」と。これをしないと、ファンのインサイトや欲望と僕たちのサービスが絶対にズレていく。ユーザーの声を聞いて、彼らが何を思っているのか、潜在的な不満は何か?そこから拾ったものをAniqueの戦略や機能に落としていくようにしています。

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アートのブロックチェーンで世界に挑む!


——海外の市場についてはどう考えていますか?

中村:今も2割ほどが海外からのアクセスです。英語のコメント投稿もあるので、海外の方も楽しんでくださっていますし、海外版権の取り扱いがOKな作品は、実際に購入してくれる方もいます。
日本のアニメに関して昔は、海外ではすごいコアなファンだけが楽しんでいるものでした。でも今はNetflixのような動画配信サイトのお陰で、世界中の誰でも手軽にアニメを見ることができる。日本のアニメやマンガ、ゲームに興味がなかった人でも接することができます。そういう海外のライトファンが増えた時に楽しめる手段が限られているので、Aniqueも将来的にはそこに挑みたいと思っています。

——Aniqueが目指す未来とは?

中村:作品が大好きで、同じようにその作品を愛する人同士で盛り上がりながら作品を応援したい、そういうファンの人たちに、今だからできる、楽しめる方法で作品を届けるというのがAniqueのやり方です。そのためにはオンライン展覧会やデジタルアート、コミュニティ機能も作っていく。根本にあるのは、ファンと作品がもっと深い繋がりを持って、作品を一生愛することができる環境への思いです。できることなら、すべての作品が眠ることなく、火を灯し続けられるような場を作っていけたらと思っています。
僕らが取り組もうとしているビジネスの領域は、まだ勝ちプレイヤーがいない、可能性が大きい領域です。隠れている潜在的な市場はとても大きいと思うし、僕らも手応えを感じている。市場を掘り当てるとか、拡大していくようなことも含めて面白がってくれる方がいれば、いつでもメールをください。

——ありがとうございました! Aniqueのビジネスやサービスは日本や世界でほとんど見当たりません。これからも、我々Wventuresは、応援していきます。

Anique株式会社 代表取締役社長 中村太一

2006年、博報堂DYメディアパートナーズに入社し、TV・雑誌・WEB・コンテンツ・マーケティング・新規事業立ち上げを経験。主な仕事に、「実写巨人初登場CF」 「実物大巨人プロジェクションマッピング」「名探偵コナン×Yahoo! JAPAN『仕掛けられた爆弾事件』」「SEKAI NO OWARI×リアル脱出ゲーム『INSOMNIA TRAINからの脱出』」がある。2019年、Anique株式会社を設立し、コンテンツ×ブロックチェーンを組み合わせた新サービスAniqueをリリース。素晴らしい創作物をファンがオンラインで楽しめる「オンライン展覧会」もスタート。

W ventures パートナー 東明宏

アニメ・漫画領域は日本が世界に輸出できる、数少ない産業の一つであり、
日本にとって最も有望な産業の1つと言っても過言ではないと考えています。Aniqueは既に海外ユーザーが20%強を占め、グローバルに育っていけるポテンシャルを持っています。社長の中村さんを中心に、IPホルダーとの連携力の高さと技術力の高さは目を見張るものがあり、コロナ禍で生まれた「オンライン展覧会」を中心に、コンテンツ×ブロックチェーンの領域をリードしていってほしいと思っています。とにかく、大きなポテンシャルに対して、人員が足りていません。ご興味を持たれる方は、ぜひご連絡ください。


構成・制作 株式会社TEA.M

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