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音楽雑感 ー 0411

新規-1

 先日、久しぶりに行った店の販売コーナーにシーディーがあるので何かと訊いたら、近くに移住してきたタンゴピアニストが加わったグループのものだと言う。
 買って、早速きいてみた。メンバーのオリジナル曲を多く含み、よく知られたロドリゲスの「ラ・クンパルシータ」にピアソラの「リベルタンゴ」も収録されている。相当難易度の高い編曲が施され、ひとりひとりの技量が確かなものであることはわかるし、それぞれの小協奏曲のような塩梅だ。
 コンチネンタルタンゴのアルフレッドハウゼ楽団やアルゼンチンのファンダリエンソ楽団のような古典的な演奏に比べて、現代的で前衛的な部分も持つようになったのはピアソラの出現からだろうか。いわゆるタンゴのリズムを単純に繰り返す演奏からは大きく隔たって、踊ることを拒否して、きくことに集中することがこれからのタンゴの味わい方だと提案しているのかもしれない。
 ピアノ、バンドネオン、コントラバスのトリオなのだが、これにバイオリンがいれば、オルケストラティピカという定型編成なのだが・・・・と思った瞬間はるか昔、大学生の時にレストランの常設バンドで、ひと月間コントラバスを弾いていたことを思い出した。                                               
 そのバンドにはバイオリンを弾く老人がいて、かつてはタンゴバイオリンの名手だったときいた。そのころはリューマチになり始めたらしく、以前よりは動きが悪いといいながら、渋く味のある音をきかせてくれた。それこそタンゴの「ジェラシー」などは絶品だった。

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