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音楽雑感(5)
替え歌ついでに面白い例をふたつ。
「聞け万国の労働者・・・」と歌われるメーデー歌は元は旧第一高等学校の寮歌で、更にその前はいわゆる軍歌だったらしい。
「何かいいたい人」自身が作曲できなかったり、周辺に作曲できる人がいなかったりしてやむなく新曲を用意せず言葉だけを替えたのかもしれないが、むしろ音楽的な要素はどうでもよく、調子のいい「節」に「いいたいこと」が乗っかりさえすればそれでよかったのではないかと思う。
「いつものように」という原題の歌がある。元はフランス語「Comme d'habitude」。「中年夫婦の倦怠の歌」と言った人がいたような記憶がある。「いつものように・・・いつものように・・・」と繰り返して、日々を嘆く。
歌詞の意味ではなく曲の感じが気に入ったらしく、ポールアンカは英語で全く違う歌詞をつけてフランクシナトラに渡した。表題を「マイウェイ」とした。
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