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音楽雑感(13)

「音楽の3要素はメロディー、ハーモニー、リズム」と能天気に考えていたのはいつだったか・・・
今時、これを言って、知っているような顔をする人はいないのではないか。少なくとも私の知る限りのことだが。
これを「3要素」としてある程度当てはめられるのは、特定の地域の特定の時代の特定の様式の音楽に対してだろう。具体的には、ヨーロッパの古典派からロマン派の時期の宮廷、貴族、上流市民たちに愛好されて、体系化されていた音楽くらいだろう。
西洋文明が発展し、最も「力」があったあたりと言えるかもしれない。
逆に言うと、この要素を満たさないものは音楽ではないことになる。
例えば、日本の太鼓による演奏。メロディーはないし、ハーモニーもない。ドン、ドンと叩くからリズムはあるようだが、3要素としてのリズムは特定の拍子感とある一定のパターンを想定している風なので、「乱打」などは「リズム」としてはとらえられないかもしれない。
時代はかわり、考え方も広がり、音楽に限らずいろいろなものを平等に扱う傾向になって、定義づけするのは難しくなった。
音楽について言えば、共通な要素の一つはまず「時間」。時間がなければ音楽は成立しない。(哲学分野でも、物理学でも「時間」は重要らしい)
それともちろん「音」。(これには無音状態も含む)
時間の流れの中で、発音間隔が「リズム」を生み、周波数の違う音を並んで「メロディー」を作り、周波数の違う音が同時に鳴ることで「ハーモニー」が響く。
時間軸上の音群を音楽と呼び、その音群の状態によって便宜的な「分類」が作られるということになるのだろう。

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